3月2日、自由民主党が来週中に取りまとめるという、教育費負担軽減についての提言内容が報じられた。その内容に、ネット上では非難の声が殺到している。
時事通信によると、自民党の提言内容は学生時期に奨学金の貸与を受けた人が対象となり、出産すればその返済額が減免されるというもの。30代前半までの育児と奨学金返済の期間が重なってしまうことを憂慮し、返済にかけるお金を子どもの教育に向けることが目的だという。減免に使用する財源は、教育国債を発行するなどで賄うことを提案するようだ。
出産や育児に関しては、年頭に岸田文雄首相(65)が「異次元の少子化対策」を掲げている。その具体策を議論する自民党内の「こども・若者」輝く未来実現会議で、今回の出産を条件とした奨学金返済額減免を提言するのだという。
奨学金とはそもそも、家庭の経済事情などで学費や教材費などの支払いが難しい学生が利用する制度だ。借りたお金で学生生活を終えたあと、出産や育児のために時間とお金を割く余裕があるとは考えがたい。
ネット上でもこの提言について、批判の声が殺到した。
《は?いい加減にしろやマジで頭くるな。 子ども産んだら減免って、金と引き換えに産ませようとしてくんな。出産は命懸けだぞ。出生数増やしたいなら素直に学費無料とかにしろ》
《グロテスクにも程がある。奨学金という借金を背負わせた若い女性に出産を強いるのか。しかも免除ではなく減免?どこまでみみっちくなれるか何かと競ってるの?》
《そもそも奨学金を給付型にしろ!! こどものいる世帯とそうでない人の分断を煽るのはやめろ!! 女性の命にもかかわる出産を、援助制度のバーターとして利用するのをやめろ!!!》
また、医師からも《赤ちゃんが増えればそれで良いわけじゃない。そのあとに育てるときに援助しないと》といった声が上げられた。
さらに、複数の野党政治家が批判の声をあげるなか、日本共産党参院議員の山添拓氏も自身のTwitterで、この提言を痛烈に批判している。
《子どもの出産を条件に奨学金の返済を減免――自民党の「異次元の少子化対策」とは、正気の沙汰でないという意味での異次元か。 教育費と奨学金返済の負担の重さを認識するなら、教育費負担そのものを軽減すべき。学ぶために借金までする異常を正すために、まず学費を半額に!》