その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、吉本興業所属の“霊がよく見える”芸人・シークエンスはやとも。『ポップな心霊論』は、そんな彼が人生で見てきた霊たちや霊現象などを紹介していくコラム連載!
【いまだに後味の悪い心霊相談の記憶】
数年前、まだ仕事が少なくて、ライブに来てくれた方の心霊相談に乗っていたころ。
ある女性から「最近、夫が霊感に目覚めて困っている」との相談を受けて、ご自宅に伺ったことがあります。
旦那さんはリビングにぼーっと座っていて、僕が挨拶をしても無視でした。
霊感について、いろいろ質問してみたのですが、何を聞いても無反応で、奥さんが代わりにすべて答えてしまうんです。
そこで、奥さんに「旦那さんと直接話したいので、席をはずしてもらっても……」とお願いすると、急に「夫は話せるような精神状態じゃないんです!」と激昂。
その後も、なかなか怒りが収まらなかったので、お茶を濁すようにトイレを借りることにしました。
僕がリビングから離れると、奥さんとは違う女性の声で「ちゃんと乗っかれよ!」という怒号が聞こえたんです。
怖くなって、そのまますぐにお暇したのですが、最後に少し霊視をしてみると、旦那さんが奥さんのことを、すごく心配しているのが見て取れました。
今思うと、奥さんに何かが取り憑いていて、旦那さんをマインドコントロールしていたのかもしれません。
当時の僕は助けになれなかったので、後味の悪い記憶です。
【PROFILE】
シークエンスはやとも
1991年生まれ。吉本興業所属。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)などで見せた芸能人の霊視も話題に。自身のYouTubeチャンネルでも心霊話を配信中。本連載をまとめた著書『ヤバい生き霊』(光文社)が発売中。