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ある編集者の“読者へのお願い”が注目を集めている。

 

話題になっているのは8月21日、ある児童書編集者のX(旧Twitter)への投稿。

 

《ほんと、編集からのお願いなんですが著者に直接「図書館で借り/ブックオフで買っておもしろかった」と伝えるのはやめてください… 入手経路言わなくていいから!感想はとてもありがたいです。多分発言者気づいてないけどなんとも微妙な空気になります。本当にめちゃくちゃいる…どうか見てくれ~~》と読者に、正規購入ではなく割安な価格で買ったことや、そもそも購入していないことを著者に伝えることを避けてほしいとお願いしたのだ。古本で購入した場合、著者に印税は入らない。

 

続けて、《子どもが言ってくるのはまだわかる。お小遣いだって限りがあるし、貴重な時間で作品を選んでくれたことが嬉しい。どんどん図書館で読んでほしい。誰も怒らないし、嫌な気持ちにもなりません。問題は大人!ファンですという割に、入手経路をなぜか伝えてくる大人…!なぜ…なぜそれを言ってしまう…》と悪気なく”正規の価格で購入していない”ことを明かす人への複雑な胸中を明かした。

 

8月25日現在、3.4万件のいいね、1742件の引用ポストがなされるなど非常に注目を集めたこの投稿。この“モヤモヤ”への共感を示す声が相次いだ。

 

《もちろんお金のない時は古本屋でも図書館でもいいと思う。でもファンならそれを直接本人に言うのはちょっと配慮が足りないよね。そしてできる時はちゃんと本屋で買って、作家さんを応援したい。これも推し活》
《普通に新品の紙本か電書が買える作品で、公式に課金せず読んだ事を報告する大人は社会常識足りなすぎだ…》
《これはちょっと分かる。寄稿したり取材受けたりした本や雑誌を立読みしてきたけど良かったよって言われると、ちょっとモヤる。お金出す価値がなかったのは分かるけど…そこは伝えなくても良くない?》
《著者の方には一銭もはいりませんものね》

 

このことは、著者の間でも話題に。日本推理作家協会賞の受賞歴もある小説家の鈴木輝一郎氏(63)は、話題になった投稿を引用して、自身のX上でこうコメントした。

 

《これ、三十年前から言い続けているんだが、まったく浸透しないねえ。この別バージョンとして「友達から借りた」「メルカリ」「絶版になっていたのでマーケットプレイスで大枚はたいて」「書店で立ち読み」などがある。入手経路は言わなくていいから!》

 

続けて《この「ブックオフで買って読んだと著者に直接いう案件、そんなに多いんですか?」と出版関係者から聞かれた。未知の読者から来るメールにはほぼ必ず入手経路が書いてあるんだ。言われたことのない同業者のほうがレアケースじゃないかな?》と、自身にも同様の経験があることを明かしていた。

 

いっぽう、『25歳からの国会』(現代書館)などの著書のある政治ライターの平河エリ氏は自身のX上で《私個人の意見として前置きすると、全く問題ないです。今は本が読まれません。買おうが買うまいが読んでくれただけで嬉しいし、報告してもらっても「私は」問題ないです。罪悪感を感じる必要はないかなと思います。本を書いても儲からないし、それは大問題ですが、読者の問題ではないので》と、入手経路については気にならないとコメント。

 

ただし、《専業作家の人にとっては死活問題だとは思うので、そこは人によるのかもしれません》と、この点については作家によっても考え方が異なると指摘。そのうえで、《ただ別に私は儲かると思って書いてないので「買ってないからな……」と引け目を感じるくらいなら堂々と借りて読みました、と言ってくれた方が大変嬉しいです》と自身のスタンスを明かしていた。

 

また、一部には“図書館や古本屋で本を借りたり購入することが悪いのか?”という指摘もあったが、投稿者は《図書館も、古本屋の存在も、全く否定していません!司書さん、店員さん、そして感想を投稿してくださるみなさんに作品を広げていただいていて、感謝しています》と、そのような意図ではないことを明かしている。

出典元:

WEB女性自身

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