Jリーグは10月27日、J2ベガルタ仙台に対し、2件の事案で計1000万円の罰金を科したと発表した。公式サイト上にアップされた「懲罰決定について」と題されたプレスリリースでは、問題となった事案について次のように説明している。
1つ目の事案は、6月11日にユアテックスタジアム仙台で開催されたベガルタ仙台vs.ジュビロ磐田の試合終了後に発生した。《同スタジアム駐車場において、100名を超えるベガルタ仙台のサポーターが、同試合中にジュビロ磐田の選手が行ったゴールパフォーマンスを不満として、立入禁止区域に侵入した上、30分以上にわたって罵声を浴びせ威嚇しながら、ジュビロ磐田の選手らが乗車したバスを取り囲み、同バスが同スタジアムを出発するのを妨げた》
さらに2つめの事案として’15年12月から’23年6月16日にかけて、ベガルタ仙台の元社員が、顧客からチケット等の代金として受領した現金など合計約1,100万円分を着服して横領したことも挙げられていた。
サポーターの行為もさながら、注目を集めたのは“クラブ側”の対応の酷さだ。「懲罰量定の参考とした事情」という項目では事の詳細が記載されている。そこでは、《本件試合後サポーターがバスの動線を封鎖している状況を認識しながら、サポーターの中心人物らと速やかに協議するなどの、事態を鎮静化するために必要なサポーターへの働きかけを一切行わなかった》とクラブ側のずさんな対応が明かされているほか、《ジュビロ磐田から警察の出動を要請するよう求められたにもかかわらず、警察に対して要請しなかった》とも記載されているのだ。
さらに、この事件についてのジュビロ磐田との協議においては、なぜか《ゴールパフォーマンスを行った選手によるサポーターへの直接謝罪を求め続け》、ジュビロ磐田に何度も拒否された後は、《ジュビロ磐田の実行委員がベガルタ仙台のサポーターとの話し合いに同席するよう求め》たという。Jリーグはこのことを”不合理な主張に終始して責務を果たさなかった”と強く非難している。