「彼のやることは全てが特別で、完璧に考え抜かれている。普通の人で、このレベルまで到達して、何よりもチームが強くなることに貢献したいと思って『私にお金は必要ない』と誰が言うだろうか。そんな人はいない。これこそ他を思いやる心、純粋な気持ちの典型だ」
大谷翔平選手(29)の代理人であるネズ・バレロ氏は12月12日(日本時間13日)、米国メディアのインタビューに応じて、大谷をそう評した。
その前日はロサンゼルス・ドジャースが、大谷翔平選手(29)との10年契約を正式公表した日。ロサンゼルス・エンゼルスからFAとなって以来、10年で7億ドル(約1015億円超)という、メジャー史上最高の契約額に驚きの声が集まっていた。その後、さらに私たちを驚かせた発表が。大谷から「チームがより強くなるため」と提案があり、契約額の97%を、契約満了後の10年間に無利子で受け取ることになったというのだ。本来の契約なら7000万ドル(約101億5000万円)の年棒が、200万ドル(約2億9000万円)に。これにより、球団側はぜいたく税を軽減でき、チームのために資金を使うことができる。
自分よりも周りの人々を思いやる、“聖人すぎる”大谷の行動は、今に始まったことではない。
「’21年には、ホームランダービーで獲得した賞金15万ドル(約2200万円)を球団スタッフ約30人に全額贈呈していました。MLBの選手会投票で『プレーヤーズチョイス賞』になったときも、闘病中の子どもたちを支援する団体に賞金を寄付したといいます。
’23年11月には日本のすべての小学校にジュニア用グローブ計6万個を寄贈すると発表し、大きな話題に。各校に1つ、左利き用を入れる気遣いも流石でした。母校の花巻東高校には、過去に練習用Tシャツ100枚、打撃練習用の投球マシンなどをプレゼント。移動用の大型バスを寄贈したという噂もあります」(スポーツ紙記者)
ゴミ拾いなど、球場で見せる紳士的なふるまいも有名だ。
「打席直前、ネクストバッターズサークルにいるときであっても、子どもたちから呼ばれれば駆け寄り、サインを書いてあげていたそうです。
敵チームの選手にも平等に接します。レッドソックス戦では、大谷選手がスライディングで二塁に滑り込んだとき、ベースカバーに入ったレッドソックス二塁手のアローヨ選手に砂がかかってしまったよう。大谷は敵チームにもかかわらず、それを手で払ってあげたというのです」(前出・スポーツ紙記者)
WBCに日本代表として出演したラーズ・ヌートバー選手(26)との秘話も記憶に新しい。大谷選手は日本語がほとんど話せない彼に寄り添い、仲を深めた。WBC決勝後には、自身が身に着けていた高級時計を突然プレゼント。WBCの日本代表監督を務めた栗山英樹前監督(62)によると、こんな温かい心配りも。
《移動中はスーツを着用しますが、翔平は私服でした。ヌートバーの移動用スーツが間に合っていなかったので、翔平もスーツではなく私服を選んだのです。「たっちゃん」をチームに溶け込ませるための、彼なりの心配りでした。ヌートバーを独りぼっちにしなかった翔平の行動は、心温まるものでした(後略)》(「東洋経済オンライン」、’23年7月19日配信)
ドジャースでも、大谷選手の聖人伝説は更新され続けることだろう――。