公開から2週間経たずして観客動員86万人、興行収入12.7億円を記録する大ヒット中の映画『ゴールデンカムイ』。原作は「週刊ヤングジャンプ」で連載された累計発行部数2700万部を超える大ヒット漫画だ。
映画『ゴールデンカムイ』が原作ファンからも高い評価を受けるいっぽう、先行きを不安視されているのが同じく「週刊ヤングジャンプ」で連載されている『【推しの子】』。1月24日に、今年の冬にドラマシリーズがAmazonのPrime Videoにて配信され、映画も劇場公開される予定だという。
昨年はアニメが放映され、YOASOBIが歌う主題歌の「アイドル」も大ヒットするなど社会現象にまでなった同作。実写化発表に際して役者陣がそれぞれの役に扮したスペシャルビジュアルが公開されると、「見てみたい」と期待する声があがる一方で、「コラかと思った」「めちゃくちゃ雑なコスプレみたいに見える」など実写化に反対する声が噴出することに。
このように、熱狂的な原作ファンも非常に多いだけに、批判がつきものの漫画実写化。昨年10月クールに放送されたドラマ『セクシー田中さん』(日本テレビ系)の原作漫画を描いた芦原妃名子さんが、脚本トラブルを明かした数日後に亡くなるという痛ましい事件も起きたばかり。
とりわけ実写化で高い注目度を集めるのは、これまで数多くの作品が実写化され、今も圧倒的な発行部数を誇る「週刊少年ジャンプ」の作品群だろう。そこで、本誌は20?30代の男女を対象に、まだ映像化されていない歴代ジャンプ作品のなかから、「絶対に実写化してほしくない作品」について投票を行った。その結果をランキング形式で発表する。
まず、3位に選ばれたのは『チェンソーマン』。悪魔が蔓延る世界で「チェーンソーの悪魔」の力を手に入れた主人公のデンジが、デビルハンターとして悪魔を討伐する姿を描く作品だ。’22年10月にアニメ化され、高いクオリティは多くのアニメファンを驚愕させ、現在は第二部が「少年ジャンプ+」で連載中だ。
主人公・デンジがチェンソーで戦うこともあって過激な描写も多い同作。そのため、実写化を懸念する声が多くあがっていた。
「気持ち悪いことになりそう」
「チェンソーをつけた人間の実写は気持ち悪いから」
「そもそも原作があまりにもグロすぎるし、実写化するとしたらCGを使用せざるを得なくなると思うので、面白さに欠けると思ったから」
また、デンジはチェンソーと人間が一体化したビジュアルのため、「色々とリアルにするのが難しそう」「悪魔の実写化が難しいと思うし、中途半端なクオリティでの実写化は残念に思う」と再現の難しさを指摘する声もあった。
続いて、2位に選ばれたのは『ハイキュー!!』。小柄ながらバネが持ち味の主人公・日向翔陽が、天才セッターの影山飛雄らとともに高校バレーボールで全国優勝を目指すという王道のストーリー。超人的な必殺技などはないものの、漫画ならではの表現でリアリティの高いバレーボールの試合を描いていることから、その再現を不安視する声が。
「バレーボールの本当の魅力が損なわれる気がするから」
「バレーボールが主役だからそれが実写化する上で再現するのが不可能だと思うから」
また、バレーの試合展開だけでなく、魅力的なキャラクターの人間模様が人気を博しているため、「キャラのイメージが壊れるから」「あの年代のキャラたちを上手に実写に落とし込むのは難しいと思うから」と、原作のイメージを重視する声も多かった。
そして、1位に選ばれたのは『鬼滅の刃』。心優しい少年・竈門炭治郎が、鬼に家族の命を奪われたをきっかけに「鬼殺隊」に入り、復讐をするという作品。’19年にテレビアニメ化され、翌年公開された劇場アニメ『無限列車編』は日本歴代興行収入第1位を記録した国民的ヒット漫画だ。
老若男女から人気を博す本作だが、作中で毒で顔が溶けるシーンや手で目を潰すなどグロテスクなシーンも多いことから、「実写では見たくない」という意見が多く寄せられていた。
「血が飛び散るシーンやグロいシーンが多いから」
「アニメだからこそ許容できるグロテスクな表現を実写できるするのが受け入れられないから」
「残虐なシーンが結構あり、漫画だからこそ描ける。実写化には向いてない、というか無理」
また、大正時代を舞台にしており、レトロな雰囲気といった独特の世界観が人気の同作。「原作の世界観を台無しにされそう」「コスプレ感がすごくなりそうなのと、世界観の表現が難しいと思う」と、現実と乖離した世界観を実写化するのは難しいのではないかいう声も多くあった。
また、3位までにあがった作品はすでにアニメ化されており、「アニメのイメージを大切にしたい」「アニメのビジュアルですごく満足しているから」という声も多く寄せられていた。
果たしてこの中から、実写化される作品は出てくるのか――。