番組開始から今年で78年を迎える、NHKが誇る長寿番組『NHKのど自慢』。同番組の2月4日放送回は、兵庫県神戸市から生中継され大いに盛り上がったのだが、トップバッターの中学生女子が『ラッパと娘』を、17人目の女性が『東京ブギウギ』を披露した。
この2曲といえば、現在放送中の朝ドラ『ブギウギ』のヒロイン・福来スズ子のモデルである“ブギの女王”笠置シヅ子さんの代表曲だ。
ネット上では、この“シンクロ”に《すげえ!今週ののど自慢で笠置シヅ子ナンバーが2曲も!》という肯定的な意見もあった一方、《さすがに朝ドラ枠でも、のど自慢でこの歌うたう奴はおらんだろう》《ブギウギ数字悪いんやろか》と懐疑的な声もあった。
ドラマ内でもすでに『ラッパと娘』は披露されており、2月5日からの第19週はまさに『東京ブギウギ』のタイトルで、国民を勇気づけた名曲の誕生秘話が明かされる。
しかし、そんなタイミングで2曲も放送中の朝ドラ関連の曲が『のど自慢』で披露されたことに、あるNHK関係者は違和感を覚えたという。
「さすがにNHK側が笠置シヅ子さんの曲をねじ込んだなんていうことはないと思いますが、公共放送としては“宣伝感”が強いと感じられても仕方ないですよね。おそらくですが、本選に出場したい方があえて現在放送中の『ブギウギ』をエントリー曲として選び、それにNHK側が乗った形なのだと思います。
『のど自慢』は昨年4月からリニューアルされ、生バンドも廃止されています。これは若者が好む最近のヒット曲に対応するべくカラオケにしたもので、『のど自慢』に若者を視聴者として引き込む狙いがあったと聞いています。
しかし、今回の笠置シヅ子さんの曲は明らかに高齢層向きですし、これまで『のど自慢』にこういった宣伝っぽい事例はほとんどありません。ここはやはり『ブギウギ』も佳境に入ることで『のど自慢』が絡んだ“コラボ”といった側面があるのではないでしょうか」
NHKも民放並みに番宣が必要な時代なのか――。