第96回米アカデミー賞の授賞式が3月10日に開催され、宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞を受賞した。宮崎監督にとっては、『千と千尋の神隠し』以来21年ぶり、2度目のアカデミー賞受賞となる。
宮崎監督の10年ぶりの新作となった同作は、戦争中に疎開した少年が死んだ母親と再会するため、不思議なアオサギに導かれて異世界に迷い込むファンタジー。宮崎監督の自伝的要素が込められているという。
今回の受賞を機に再び、注目が集まる宮崎作品。そこで本誌は、30代以上の女性300人を対象に、「宮崎駿アニメで一番面白かった作品」についてアンケートを実施した。
第3位は宮崎監督の映画初監督作品として知られる『ルパン三世 カリオストロの城』
1979年に公開された『ルパン三世 カリオストロの城』は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場用映画2作目として制作された。ルパン三世シリーズのなかでも異色作だが、コミカルなアクションシーンが満載で、《わくわくドキドキ感があり楽しめた》(60代/専業主婦)《ルパン三世シリーズが好きだから》(30代/会社勤務)《何回見ても飽きないし、孫も喜んでいるので好きです》(70歳以上/パート・アルバイト)と、ルパンファンからの支持も高い。
また、政略結婚を迫られる美少女・クラリスを救うルパンの冒険活劇は、《ルパン三世とクラリスのやりとりがよかった。銭形警部がかっこいい》(40代/パート・アルバイト)《何度見ても古さを感じない》(60代/専業主婦)《あらすじも内容もよかった》(60代/パート・アルバイト)といった声が多数。映画公開から40年以上が経っても、人々の記憶に強く刻まれている。
第2位は2001年公開時『タイタニック』を抜いて日本歴代興行収入1位を記録した『千と千尋の神隠し』
宮崎監督が原作・脚本・監督を務めた同作。八百万の神々が住む異世界に迷い込んでしまった10歳の少女・千尋が、湯屋で働きながらさまざまな困難を乗り越えていく物語は、《印象的だったから》(30代/専業主婦)《子供から大人まで楽しめる内容でぐんぐん物語に入り込めました》(70歳以上/専業主婦)《舞台背景が好きです》(30代/無職)《なんとなくほっこりする感じがいいかな》(70歳以上/専業主婦)など、幅広い世代から親しまれている。
さらに、千尋を守る少年ハクや、魔女の湯婆婆など印象的なキャラクターが多数登場したことから、《キャラクターも設定もよかった》(40代/その他の職業)《登場人物が個性的で映像も美しい》(70歳以上/専業主婦)《キャラクター全て好き》(60代/会社勤務)《ハクがカッコよかった》(30代/会社勤務)などの声が寄せられた。
第1位に選ばれたのは昭和30年代前半の日本を舞台にした『となりのトトロ』
母の療養のために田舎に引っ越してきたサツキとメイの姉妹が、子供にしか見えないトトロやネコバスなど不思議な生き物と心を通わせる姿を描く同作。《キャラクターが可愛かった。ほっこりするストーリーもいい》(40代/派遣社員・契約社員)《田舎という自分の身近な場所が舞台になっているので、こうだったら楽しいなと思いながら見ることができたから》(30代/無職)《トトロが可愛かった。日本の夏の風景がキレイ》(40代/専業主婦)《トトロに会ってみたいと思えた》(50代/パート・アルバイト)《大人になった今でもトトロやメイちゃん、サツキのセリフや動きがとても可愛く、ずっと好きです》(30代/派遣社員・契約社員)と熱烈な声が。
また、ファンタジーでありつつも、姉妹の強い絆や母親への思いなどが描かれたことから、《家族愛の中に、子どもの愛がある、愛らしい作品》(50代/会社勤務)《親子愛に溢れていて感動した》(60代・専業主婦)《ほのぼのとした愛の家族の日常にほっと安堵が得られたこと》(70歳以上・専業主婦)《(宮崎監督作品で)初めて見た作品で、大人が見ても楽しかった》(60代/無職)と、見る人に感動を与えたようだ。
近年は大人向けの哲学的なストーリーの作品が多いが、やはり支持されたのは宮崎駿アニメらしい「ワクワクドキドキ感」と「不思議でかわいいキャラクター」。噂されている次回作では、そんなファンの声に応えてくれる!?