4月1日にスタートしたNHK朝の連続テレビ小説『虎に翼』の第一週の平均視聴率は16.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)で、’23年後期『ブギウギ』、’23年前期『らんまん』、’22年後期『舞い上がれ』を上回る好スタートを切った。
29歳にして芸歴20年を数える同作のヒロイン・伊藤沙莉(29)の演技が好評を博しているが、半世紀以上の歴史では数々のヒロインが名演を残してきた。
過去10年の朝ドラヒロインの中で、最も演技を評価されているのは誰なのか? そこで本誌は過去10年(’14年以降)の朝ドラヒロインで、演技が上手/イマイチと感じた女優について調査した。(男性が主人公を務めた朝ドラは除く)
対象は40歳以上の女性400人とし、クロス・マーケティングの「QiQUMO」を利用。本記事では、「演技が上手い」朝ドラヒロインのランキングの結果を紹介する。
まず3位は同率で2名。’14年度前期の『花子とアン』で主演を務めた吉高由里子(35)と’19年度後期の『スカーレット』のヒロイン・戸田恵梨香(35)。
吉高は『赤毛のアン』の翻訳者である村岡花子をモデルにした安東はなを好演し、平均視聴率22.6%を記録。戸田は女性陶芸家のパイオニア的な存在である神山清子をモデルとしたヒロインを演じた。
’24年の大河で主演を務めている吉高と、『SPEC』(フジテレビ系)や『コードブルー』(フジテレビ系)、『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)などの多くの話題作に出演してきた戸田の2人の演技力が高く評価されていた。
■吉高由里子
《せりふ回しが上手だった》
《役以上の本人になりきっている。》
《然体で作りこんでるように見えないところがとても良かったから》
■戸田恵梨香
《喜怒哀楽が上手に表現できていたと思う》
《素直に引き込まれました》
《笑う演技と泣く演技が上手》
続いて2位に選ばれたのは’21年度後期の『カムカムエヴリバディ』で2代目ヒロインを担当した深津絵里(51)。
同作は、NHKのラジオ英語講座を題材にした親子3代100年にわたる物語で、上白石萌音(26)が演じた1代目ヒロイン・安子と生き別れになった2代目ヒロイン・るいとして自らの人生を切り開いていく役柄を深津は演じた。朝ドラ史上最高齢ながら、18歳の役も見事に演じ切り、その透明感に驚きの声が多数あがった。
深津は’97年にスタートした『踊る大捜査線シリーズ』で大ブレイクを果たし、’10年の映画『悪人』でモントリオール世界映画祭最優秀女優賞を受賞するなど、日本を代表する女優として活躍。シリアスな演技だけでなく、映画『ザ・マジックアワー』や『ステキな金縛り』などではコメディにも定評が。朝ドラでは10代から70代まで演じ、シリアスからコメディまで対応できるその幅の広さが高い評価を得ていた。
《どんな役でもこなせるから》
《若い頃から母になり幅の広い年齢を演じた》
《役になりきった演技をされていて 演技が上手な女優さんだと思いました》
そんななみいる3人を抑えて、1位に輝いたのは’18年度後期の『まんぷく』のヒロイン、安藤サクラ(38)。
インスタントラーメンを開発した日清食品創業者の安藤百福と妻・仁子をモデルに制作された同作で、何度も失敗しながら夫婦二人三脚で世界の食文化を変えていくストーリーだ。
’24年3月には映画『怪物』で3度目の日本アカデミー賞最優秀女優賞に輝くなど、名実ともに日本トップクラスの女優である安藤。安藤サクラと度々タッグを組んでいる是枝裕和監督(61)が「いきなり放り込まれたような場面でも、最初からそこに居て、地に足がついたというか、根の生えたように演じてしまう。それは他の人にはない感じですね」と評するその芝居は、視聴者にも届いているようだ。
《演技しているわざとらしい感じがしないため。》
《自然な演技で人をひきつける魅力がある》
《独特の雰囲気がある。何役をやらせてもしっくりくるから。》