ヘルスケア製品や医療関連機器を提供する、国際的な電子機器メーカーのPhillips。オランダのアムステルダムに本拠地を置く同社の日本法人・Phillips Japanは、シェーバーや電動歯ブラシといった製品で広く知られている。
そんなPhillips Japanは6月20日、Xにシェーバー「S9000 Prestige」のCM動画を投稿した。CMは15秒ほどのもので、まず製品の説明が流れる。その後、夜景が見える高層階のラウンジのような場所で、二組の男女が四人で向かい合って歓談するシーンへと移る。そして1人の男性がクローズアップされると、その男性が満足げに顎元を右手でさするというものだ。
一見、何の変哲もないこのCM。ところが、公開するとXで波紋を呼ぶことにーー。実はこのCM、合成する際に必要なトラックマーカーのようなものが夜景のシーンに大量に映り込んでいるのだ。また、男性にクローズアップする場面では、窓の外は夜景ではなくコバルトブルーの壁となっている。そのためXでは「完成前の素材を公開したのでは?」と指摘する声が、こう相次いでいる。
《これ、近年稀に見る納品事故だな。素材みたら分かるでしょ》
《納品事故ってるのこわ》
《自分がやったら吐く》
《窓の外に合成用マーキングが…》
YouTubeではすでに3週間前から公開されていた同CM。はたして、完成前のものを公開してしまったのだろうか?
そこで本誌は24日、Phillips Japanに見解を求めたところ、同日23時30分頃までにXの当該ポストは削除。そして25日12時30分、広報代表から《このたびはご指摘いただきありがとうございました。当該動画につきまして現在確認中でございます》と返事があった。
その後、28日18時までに「S9000 Prestige」の新たなCMがYouTubeで公開された。以前アップされていたものと内容は変わっていないが、今度はトラックマーカーが映り込んでおらず、男性がクローズアップされる場面でも窓の外は夜景となっている。やはりXで指摘されていたように、以前のCMは本来公開すべきものではなかったのかもしれない。