11月2日から3夜連続で教養バラエティ番組『ブラタモリ』(NHK)が放送される。今回の特番ではNHK広島放送局の佐藤茉那アナウンサーが旅のパートナーを務め、「東海道五十七次」をテーマに徳川幕府の思惑に迫る内容になるという。
『ブラタモリ』は街歩きの達人であるタモリ(79)が、全国各地や海外を訪ねて“ブラブラ”と歩きながらその土地の自然や歴史などを伝える番組で、08年に始まり、15年から通年のレギュラー番組となっていた。しかし、今年3月に惜しまれながらレギュラー放送が終了。今回の放送は約8カ月ぶりの復活となる。
同番組で毎回注目を集めるのは“案内人”の存在だ。各分野の専門家やその土地に詳しい人物がガイドを務めるのだが、番組のディレクターを務める良鉄矢氏は案内人の選定についてインタビューでこう明かしている。
《知識が豊富な人が案内人に選ばれるわけではありません。タモリさんと盛り上がれるかどうかを基準に選ぶことが多いです》(「WEB ザテレビジョン」18年4月20日配信)
この言葉通り、案内人とタモリとの掛け合いも番組の見どころの一つになっているが、過去には意外な人物もゲストで登場していた。
その一人がフュージョンバンド「カシオペア」でキーボード奏者を務めていた向谷実(68)だ。向谷は第1シリーズの「二子玉川」回に登場し、タモリと鉄道話で大いに盛り上がった。同じく第1シリーズに出演したのが、「ザ・スパイダーズ」で活躍していた井上順(77)だ。13歳のころから六本木育ちだという井上は、50年に六本木の飯倉片町にオープンした日本初のハンバーガーショップ「ザ・ハンバーガー・イン」の思い出を語った。
そして、もっとも視聴者を驚かせたのが第4シリーズの「薩摩の奇跡 〜なぜ鹿児島は 明治維新の主役となれた?〜」(18年3月17日放送回)と題した回だ。
この日の放送でタモリは鹿児島を訪れた。番組が進み、島津家の別邸があった庭園・仙巌園へ向かうと、そこには映画『ラスト サムライ』をはじめとして数々のハリウッド作品に出演する俳優・渡辺謙(65)の姿が。実は当時放送されていた大河ドラマ『西郷どん』で、渡辺は明治維新の立役者となった島津斉彬を演じていたため、案内人に抜擢されたのだという。
番組内では「ぜひ、わが家を」と自慢げに島津家の御殿を案内する渡辺に対して、タモリが「もう自分の家みたい」とツッコむ場面も。その後、玉龍山福昌寺跡に移動し、島津斉彬夫妻の墓石について解説するなど、案内人の役割をしっかりと果たしていた。
「渡辺さんは当時、島津斉彬の役作りのため、事前に鹿児島を何度も訪れていたそうです。そこで島津斉彬が現代を生きる鹿児島の方達からも人望が厚いことを知り、『演じるのが自分でいいのか不安だ』と感じたそうで、その悩みも『ブラタモリ』で吐露していました。しかし、だからこそ鹿児島や島津斉彬について深く勉強したようで、番組内でそんな渡辺さんの努力や鹿児島愛が画面から伝わってきたため、大変評判は良かったようです」(芸能関係者)
今回の特番ではどんな意外な案内人が登場するのか目が離せない。