映画『開戦前夜』公式サイトより 画像を見る

池松壮亮(36)が主演を務める映画『開戦前夜』(7月31日公開予定)の製作委員会が7月21日、「創作の経緯と公開について」と題する声明を発表。あらためて予定どおり公開する方針を示すとともに《史料や記録に基づくフィクション作品を通じて歴史を解釈し、批判的に描くことは、「歴史捏造」や「史実の歪曲」を意味しません》と説明した。

 

昨年8月に放送されたNHKスペシャル『シミュレーション ~昭和16年夏の敗戦~』のドラマパートを再編集した本作。しかし、このドラマ版をめぐっては放送直後からトラブルが続いている。7月16日には公式サイトで、19日に予定されていたプレミア上映会を急きょ中止すると発表。開催3日前での突然の判断は大きな波紋を呼んでいた。

 

「作中に登場する総力戦研究所の所長だった飯村穣氏の孫で、元外交官で国際政治アナリストの飯村豊氏(79)が『祖父が卑劣な人間に描かれ、名誉を毀損している』として抗議。映画上映の差止めを求めているのです。

 

史実では研究所で自由闊達な議論を推奨したとされている人物ですが、ドラマでは日米が開戦した場合の『圧倒的な敗北』というシミュレーション結果を、覆すよう圧力をかける人物として描かれました。

 

飯村氏は昨年8月に記者会見を開き、放送倫理・番組向上機構(BPO)への申し立てを表明したほか、同年12月にはNHKや映画監督、制作会社などを相手取り、550万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こして、現在も係争中です」(全国紙文化部記者)

 

映画公開日が発表された6月上旬にも、製作委員会は声明を公表。ドラマ版が係争中であることを認めながらも、《特定の個人を糾弾したり、名誉を毀損したりする意図は全くなく、私たちの主張の法的正当性は裁判において認められるものと強く確信しております》と主張。飯村氏の主張についても《原告の一方的な見解に基づくもの》と反論していた。

 

「7月のプレミア上映会の中止に関しては、数日前の試写会の入り口付近で飯村氏サイド数名が本作ドラマ及び映画版を批判する演説やビラ配布を行っていたため、同様の事態が起きることを危惧した判断だったようです。

 

今回の声明では法令に反する意図はないとしたうえで、《限られた史料や記録を基に当時の人々の声や人生に思いを巡らせ物語を創作することは、歴史を題材としたフィクション作品の一般的なアプローチ》と改めて説明。飯村氏の主張に関しては《独自の見解に基づく一方的な主張によって作品の公開が制限されることになれば、この国における歴史、特に近現代史を題材とした表現行為は、題材を含めて著しく制限されてしまいます》と再度けん制しています」(前出・全国紙文化部記者)

 

あらためて公開方針を示したことになるが、製作委員会の姿勢にSNS上では批判コメントが少なくない。

 

《映画はエンタメだから良いでしょっていうのは、ちょっと違うんじゃないの》
《疑問なのは、なぜ、今なのかです。問題があるなら解決するまで待てばいい》
《フィクションという一方的な意見で通さないで頂きたい》

 

「製作委員会の主張は理解できますが、“なぜ裁判中にも関わらず、いま映画公開を強行するのか”という根本的な疑問は消えていません。ネット上では、本作のテーマは“負けると分かっていてなぜ日本は開戦に突き進んだのか”を問い直すものにも関わらず、当の製作委員会が“抗議を受けているのに映画公開に突き進んでいる”という皮肉な類似点を指摘する意見もあります。

 

映画は公開しなければ製作費を回収できません。配給スケジュールや契約上の事情もあり、製作側としては延期のハードルは極めて高いのでしょう。ただ、法廷で争いが続くなかでの映画公開には納得できない人たちが少なくないことも事実です」(映画業界関係者)

 

公開日が近づくにつれ、さらに議論は広がりそうだ。

 

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出典元:

WEB女性自身

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