1991年7月にリリース。大阪の放送局FM802がヘビーローテーションでかけ静かに広がり、口コミの起爆剤に。1993年暮れの『紅白歌合戦』に初出場。累計98.9万枚を売り上げた(中村さんは左から3人目) 画像を見る

「夜道を歩いているときに、サビのフレーズのメロディだけがふっと浮かんだんです。そこから約1週間かけて曲を完成させました」

 

THE JAYWALK(当時はJ-WALK)の18枚目のシングル曲『何も言えなくて…夏』の誕生から35年。作曲を手がけたボーカル・ギターの中村耕一さん(75)から、時代を超えて支持される楽曲への思いをうかがった。

 

「最初はメロディから生まれたんです。仲間たちとのミーティングにデモを出して、ギターの(知久)光康くんが珍しく自分から『これは、俺が詞を書いてみるわ』って申し出てくれたんです」

 

そうしてできあがった楽曲は、アルバム『DOWN TOWN STORIES』に収められた。

 

「切ない詞を見事にメロディに乗せてくれて『なかなかいい曲ができた』という手応えはありましたが、ここまで歌い継がれるとは。

 

シングルカットの話が出たとき、レコード会社も僕もほかのメンバーも最初は消極的で。『絶対ヒットする!』と確信していたのはプロデューサーだけだったんです」

 

実は、当初の歌詞は、「クリスマス」や「雪」「サンタクロース」が出てくる冬ソングだったという。

 

夏に差し掛かるタイミングでシングル化の話が浮上したため、このままでは難しいということに。

 

「そこで光康くんが、数カ所の言葉を変えて夏バージョンに書き直してくれたんです。季節が変わったことで開放感が出て、聴く人の情景が広がる曲になりました。

 

ただ、自分たちは売れている実感はずっとなくて。ギタリストと『真綿で首を絞められる感じ?』って話していて(笑)。その後、紅白歌合戦や歌番組の出演が増えて、ようやく『じわじわ広がっているんだ』と。確実に心に残る曲になってくれたのは幸せですね」

 

これからも歌い継がれるはず。

 

画像ページ >【写真あり】『何も言えなくて…夏』の誕生から35年。作曲を手がけたボーカル・ギターの中村耕一さん(他2枚)

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