「究極の“放り投げ辞職”です。これなら先週の議長辞職勧告決議案をそのまま可決してもよかったはず。県民からの批判の矢面に立たされたことで、面倒になったんでしょう」
呆れながら語るのは福岡県の自民党関係者だ。
福岡県議会の蔵内勇夫議長(72)が8月24日、県議辞任を発表した。県議会の正副議長ポストをめぐる金銭授受疑惑や、2023年度以降に少なくとも2億8000万円に上る海外活動での支出計上などへの批判が相次いでいたことで、決断に追い込まれた。
すでに第三者委員会の設置などの県条例を成立させてから議長職を辞任することは表明していたが、一方で議員は続ける意向を示していた。そのため、14日に提出された議長辞職勧告決議案に関しては、採決直前に緊急動議を林泰輔県議が提出し、採決未実施となった。
「じつは、蔵内氏は議員辞職を先週から口にしていました。議会事務局を通じて発表したコメントで、『25日に東京で開催される女性議員研究交流大会での全国都道府県議会議長会会長としての職責を全うした上で、福岡県議会議員の職を辞することとしました』と表明しています。なので、実際の辞職は26日以降と思っていました。驚きました」(大手紙の自民党担当記者)
蔵内議長の辞職に伴い、筑後市選挙区の補欠選挙がおこなわれる見込みだ。
「蔵内議長は後継候補として長男を考えている可能性が高い。ただ、蔵内議長は自民党候補として当選しましたが、彼の不祥事により、自民党が独自候補の擁立を見送る可能性や、長男が党公認を取れないなどの理由で立候補を断念せざるをえないケースも考えられます。
蔵内家は国会議員も出した県政の名門。蔵内さんは婿養子ですが、自分で政治家の系譜を止めるのは避けたいところでしょう。補欠選挙でなければ、次は、全議員が改選になる2027年春の統一地方選挙になるはずでした。統一選挙であれば、長男の当選の可能性も十分あると踏んでいたはずです」(同)
福岡県政は、麻生太郎自民党副総裁(85)、武田良太元総務相(58genn)、そして蔵内議長が大型選挙のたびに三つ巴の覇権争いをしたことでも知られる。つまり、今回の辞任で“福岡三国志”の一角が崩れたことになる。
「麻生氏の地元である飯塚市選出の県議は、先の議長辞任決議案で賛成を表明していましたが、県連に広がりはありません。日頃は見向きもしないくせに、県知事選などの大型選挙に介入しては失敗する麻生氏には地元は辟易しているんです。蔵内さんの問題は今後、難しい局面を迎えます。おそらく調整力に長けた武田さんの1強体制になるのではないかと思いますね」(同前)
次に議長の座を射止めるのは誰なのか──。
画像ページ >【写真あり】蔵内議長の“1000平米”大豪邸(他2枚)
