9月9日、県議会議員の豪華海外視察旅行や議長・副議長ポスト就任をめぐる金銭授受疑惑問題に揺れる福岡県議会の定例会が開会した。
福岡県議会をめぐる問題では、“県政のドン”と呼ばれた蔵内勇夫・世界獣医師会会長(72)が、8月25日付で県議会議長と県議会議員を辞職したばかり。蔵内氏の辞職で空席となっていた議長選挙には、最大会派の自民党県議団(38人)の大島道人県議と非自民系会派を一本化した公明党県議団(10人)の新開昌彦団長の2人が立候補。議長選の結果、39票と同数になり、くじ引きで大島氏が新議長に選出された。議会では引き続き自民党県議団の金銭授受疑惑などについても追及が続くとみられる。
だが、ほかにも注目を集めている県議がいる。
政治部記者が言う。
「国民民主党県議団の大田京子県議(48)です。9月3日にWEBメディア『センキョタイムズWEB』が2024年1月にタイのバンコクで開かれた福岡県議会訪問団の送別宴で、大田県議と蔵内氏らが映画『タイタニック』で主人公2人が船首でするポーズを真似してはしゃぐ写真などを掲載しました。この写真はSNSなどでも拡散され、『タイタニックごっこ』と揶揄され、大田県議は批判にさらされました。大田氏は9月4日自身のSNSで《海外での政務活動中であるにもかかわらず、懇親の場において節度を欠く振る舞いがあったことは、県議会議員として適切なものではありませんでした》などと謝罪。翌5日の国民民主党福岡県連の常任幹事会で県連会長を辞任することを表明しました。県連が10月に開催する定期大会で正式に辞任するようです。ただし、議員は辞めないようです」
掲載された写真のなかには、蔵内氏が後ろから大田氏の腰を抱く破廉恥なものもあった。
地元記者が言う。
「『タイタニックごっこ』に参加したのは、大田氏以外にも民主県政県議団(当時)の女性県議らや自民党の男性県議がいましたが、『タイタニックポーズ』を提案したのは大田氏でほかの女性県議らはしぶしぶやったと聞いています」
大田氏らが所属していた民主県政県議団(20人)は、9月1日に会派の解消を決定し、3つの会派に分裂。現在は県政PLUS県議団(10人)、県民の声ふくおか(8人)、国民民主党県議団(2人)となっている。
「8月17日の臨時議会で蔵内議長(当時)に対する辞職勧告決議案が提出されましたが、蔵内氏の元秘書である自民党県議団の林泰輔議員が決議案の採決中止を求める動議を提出。これが可決されたため、蔵内氏に対する辞職勧告決議案は採決されませんでした。
この際、林議員が出した動議に対し、民主県政県議団のなかで賛成10人、反対10人と割れたことが分裂のきっかけです。9月からの議会に向け、自民党県議団の金銭授受疑惑などを追及する前に分裂してしまったことは、非自民系県議団にとっては痛い。さらに、『タイタニックごっこ』についても追及される見込みですから、県民からは『福岡県議会議員はどうなっているんだ!』という怒りの声が多く聞かれます。福岡県民は『男らしくない』とか『筋が通らない』といったことをわりと選挙に反映しますからね。不祥事を起こしてその後の対応が適切でなかった議員は、福岡では次の選挙でよく落ちています。
そうした土地柄から言うと2027年の福岡県議選では、自民党系の候補者はかなり落選するかもしれません。採決中止の動議を出した1期めの林泰輔氏や今年6月の定例会の代表質問で『ご就任、誠におめでとうございます』と4月に世界獣医師会会長に就任した蔵内議長(当時)のほうを振り返り、深々と一礼しヨイショした同じく1期めの佐藤楓氏あたりは危ないでしょう。民主系、国民民主系候補は自民党が弱ったすきを見て、一気に議席拡大を狙っているところですが、大田氏の騒動は水を差す形になりました」(前出の地元記者)
大田氏は福岡大学商学部卒業後、ユニクロに入社。その後、整骨院で働き、鍼灸師国家資格を取得している。2015年の福岡県議選で初当選し、2019年に2期めの当選を果たしたが、県議を辞職し、2022年の参院選福岡選挙区(改選3)で国民民主党候補として出馬するも5位で落選。2023年の福岡県議選で3期めの当選を果たしている。
騒動の渦中にある大田氏の人物像について、別の地元記者が言う。
「2021年から2022年にかけて政務活動費から夫が経営する会社の家賃や光熱水費の一部を充当した問題などが報じられ、脇が甘いところがある議員です。基本的に長いものには巻かれるタイプなので、ああいった“喜び組”みたいな対応をとっちゃったのでしょう。大田氏本人は『自分はリーダーになるような人間ではない』と公言しています。ただ、今回は明らかに大田氏のことを快く思っていない人たちが彼女をターゲットにしたと地元政界ではもっぱらです。来年の県議選に向けて、大田氏が関係するスキャンダル系の話はあと2つ3つ出てくると囁かれています」
大田氏、そして国民民主党にとっては茨の道が続きそうだ。
画像ページ >【写真あり】“県政のドン”と国民民主・福岡県議の密着「タイタニックごっこ」(他5枚)
