「中道改革連合は、党所属国会議員1名を残し、当面の間、政党として存続をし、清算活動を完了したあと、最終的な組織整理をおこないます」
9月9日、国会内で開かれた記者会見。中道改革連合の小川淳也代表(55)の口から飛び出したのは、あまりにも都合がよすぎる“党の解体”方針だった。
今年1月、衆議院の立憲民主党と公明党がタッグを組んで結成されたばかりの「中道改革連合(以下、中道)」。だが、わずか8カ月で事実上の解党へと追い込まれることとなった。
しかし、国民の怒りを買っているのは、その無体な解党プロセスそのものではない。国会議員を「わずか1名だけ」党に残し、存続させるという異例の形態だ。
この背景にあるのが、国民の税金を原資とする「政党交付金(政党助成金)」の存在である。
1時間以上に及んだ記者会見の場では、当然ながら記者から政党交付金の受領に関する厳しい質問が相次いだ。
記者から「税金が原資の政党交付金を、事実上解体された党が満額受け取ることになる。税金の使い道として国民の理解を得られると思うか」と質問された小川代表から返ってきたのは、かみ合わないばかりか意味不明の“謎の逆質問”だった。
「逆にお尋ねですが、総選挙の支払いを、ざっと言えば10億円余り踏み倒していいのかというご質問であれば、答えはノーだろうと思います」
税金を受け取ることの是非を問われているにもかかわらず、“業者への支払い”を盾にした開き直りのような発言が返ってきたのだ。そして小川代表は続けてこう弁明した。
「それらも含めて、あのときに発注をし、ご貢献をお願いした分については、党として、完済するまで、それはある種の社会的責任であり、経済的責任であり、そういうことをもってご理解をいただけるように説明を尽くし、全力を挙げて取り組みたい」
党が抱える負債や発注費用を清算するために、国民の税金である政党交付金を満額受領するのは「社会的責任だ」と言い切ったのである。
では、なぜ国会議員を「1人だけ」残すことで、莫大な資金が手に入るのだろうか。政党交付金の仕組みを振り返ると、その“抜け道”ともいえる仕掛けが見えてくる。
2026年(令和8年)分として、中道に配分・決定されていた政党交付金の総額は23億3,881万円。政党交付金は年4回(4月、7月、10月、12月)に分けて支給される仕組みになっている。
もし全員が離党して党を完全に消滅(解党)させた場合、解散通知を出した時点で政党要件を失い、未支給分の交付金は受領できなくなるか、国庫に返納しなければならない。
しかし、政治資金規正法および政党助成法上、所属国会議員が「1名」いれば、その団体は「政治団体」および「政党」としての枠組みを維持し続けることができる。
つまり、9月9日の解体発表時点で議員1人を残す形式を取ったことで、10月と12月に支給される残り2回分、計11億6,940万円を、中道という政党の口座でそのまま満額受け取ることが可能になるわけだ。
たとえ合法とはいえ、解体する党の借金を国民の血税で返済するという手法に対し、ネット上では猛烈な非難の声が上がっている。
《党員1名なら政党助成金を返納して解党しろ 日本国民の税金を何だと思っている》
《政党交付金目当ての指摘が出ることそのものが信頼信用を失墜させている。》
《一人だけ残すやり方では、交付金という名の資金目的と受け取られても仕方ないですよ。こんなもん筋が通る訳がない。》
《彼らの狙いは明確に「お金」である。》
《何がなんでも金の取り分だけは死守する姿勢は国民の想像を超えた手法。》
《政党交付金は残額を辞退、国庫へ返納するべし。》
といった、呆れと激しい怒りの声がほとんどだ。
政党交付金目当てとも受け取れる今回の行為。なぜ中道は、国民から批判を浴びることが目に見えている「1人残し」という悪手に走らざるを得なかったのか。
中道関係者が苦しい内情をこう明かす。
「1月に結成された中道改革連合ですが、結党後すぐに行われた衆院選のために、宣伝や広告、印刷といった、さまざまな業務を民間事業者に委託するために巨額の選挙資金を投じました。
民間事業者への未払い金だけでなく、今後は解体に伴う財務処理にかかる費用も積み上がってくるので、まさに破産寸前の状態に追い込まれているのが実情なんです」
“野合”“選挙互助会”と揶揄されながらも結党し、たった8カ月で解体となった中道。約11億7,000万円という莫大な血税が、国民の理解を得られぬまま消えていこうとしている。
