書類送検された東国原氏。「名誉毀損にはあたらない」と述べ、今後、法的措置を取る方針を示した(写真:共同通信) 画像を見る

《これが仮に本当なら、●●氏は暴力団と付き合いがあると言う事か?》(実際のポストは実名)

 

元参議院議員に関するXでの虚偽情報を含むポストを、こんなコメント付きで2024年6月にリポストした元宮崎県知事の東国原英夫氏(69)が、今年9月に名誉毀損の疑いで書類送検された。

 

「じつはSNSの何気ないリポストでも法的な責任が追及される事例は少なくありません」

 

そう語るのは元刑事で、一般社団法人刑事事象解析研究所(ケイジケン)代表理事の森雅人さんだ。『これだけで、逮捕 「知らなかった」では済まされない29の落とし穴』(PHP研究所)の著者でもある森さんに、実際にあった事例をもとに解説してもらった。

 

■「本当ならひどい話だな……」。そんな気持ちでリポストしたら

 

Aは、仕事帰りの電車の中でSNSを見ていた。すると、有名なインフルエンサーに関する投稿が流れてきた。そこには、《この人は詐欺師だ》《お金を騙し取っている》などと書かれていた。かなり拡散されており、コメント欄も批判一色だった。

 

それを見たAは、「本当ならひどい話だな」と思い、そして深く考えることなく、その投稿をリポストした。自分で書いたわけではない。ただ共有しただけ。そんな感覚だった。ところが数カ月後、その投稿内容が事実ではなかったことが判明する。投稿した人物だけでなく、拡散に関与したアカウントについても捜査が行われた。Aは、「私は書いていません」と説明したが、虚偽の内容を不特定多数へ拡散した行為が問題視され、名誉毀損の疑いで書類送検された。

 

「根拠のない、本当か嘘か分からないものを簡単にリポストしてしまって、その大元のポストが事実ではなく、違法なものであると分かった時は、加害者の一員として見られることがあります」(森さん)

 

この場合は、名誉毀損罪のほかに、「信用毀損罪(虚偽の情報を流し、人や会社の信用を傷つけた場合に成立する犯罪)」や「偽計業務妨害罪(虚偽情報などによって業務を妨害した場合に成立する犯罪)」などに問われる可能性がある。さらに、民事訴訟で損害賠償を求められるリスクも。

 

森さんは、さらに社会問題化しているデマの拡散についても警鐘を鳴らす。

 

「災害時に、よくデマがリポストによって拡散されて出回ることがあります。それが社会問題化しており、警察も厳しく取り締まる方針を強めています。あまりにもひどく悪意を持ってリポストしたような状態だと、刑事事件として立件される可能性もあります」

 

■下請けへの値下げ要求で社内処分に

 

さらに、会社のためと思って行った行為で重い責任が問われることも。

 

Bは、ある会社で外部業者への発注を担当していた。会社の業績は落ちており、会議のたびに上司から「コストを下げろ」と言われ、Bは頭を抱えていた。そこで、Bは長年取引のある業者に電話をかけ、「厳しいのはわかっています」「今回だけ協力してもらえませんか」と値下げを要求した。その言葉は丁寧だった。脅したつもりもなかった。だが、相手は断れなかった。その会社にとって、その取引先を失うことは大きな痛手だったからだ。結局、取引先は値下げに応じ、それをきっかけにその後も同様の要請を続けた。

 

数カ月後、同じようにBから値下げの要求を受けた別の取引先からも同様の相談が寄せられ、公正取引委員会が調査に乗り出した。結果、優越的地位を利用した不当な値下げ要求が認定された。会社は下請法違反として勧告を受け、社名公表。Bも社内処分を受けることになった。

 

「上の立場にいる側に悪気がなかったとしても、お願いされた側が『上下関係を利用して圧力をかけられた』と感じて拒否できない状況であれば、中小受託取引適正化法(旧・下請法)や独占禁止法違反に該当します」(森さん)

 

実際に有名企業が勧告を受けた例も。

 

「今年9月、『丸亀製麺』を運営するトリドールホールディングスが、食品製造を委託した事業者への支払代金を不当に減額したなどとして、公正取引委員会が中小受託取引適正化法と前身の下請法違反と認定し、再発防止を勧告しました。

 

同社は2024年8月から2026年7月、卸売会社を通じてカット野菜や加工肉などの製造を委託した37社に代金を支払う際、『システム利用料』名目で代金の1.1%を不当に減額したと報じられています」

 

森さんはさらにこう指摘する。

 

「発注した企業側に『圧力をかけている』意識がなくても、受注した側は『受け入れなければ取引を切られるかも』と怯えてしまう。相手が対等に本音を言えない構造の取引は、上の立場にいる側が細心の注意を払う必要があります」

 

かつて、常態化していた下請け企業への不当な値下げ要求も、法改正などを経て厳しく取り締まられるようになった。最後に森さんはこう指摘する。

 

「これから先も、新しいサービスや法律が生まれ、私たちを取り巻く環境は変わり続けるでしょう。だからこそ大切なのは、『これは大丈夫だろうか』と一度立ち止まって考えることです。その小さな意識が、未来の大きなトラブルからあなたを守ってくれます」

 

【INFORMATION】

 

「仮に本当なら…」で東国原英夫氏も書類送検 元刑事が明かす“何気ないリポスト”と“値下げ要求”に潜む法リスク
画像を見る 『これだけで、逮捕 「知らなかった」では済まされない29の落とし穴』(PHP研究所)

 

『これだけで、逮捕 「知らなかった」では済まされない29の落とし穴』(PHP研究所)には、意外な逮捕事例がたくさん!

https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-86162-3

 

画像ページ >【写真あり】何気ないリポストが破滅の入り口に(他3枚)

出典元:

WEB女性自身

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