最近のテレビ番組では、1980年代にスポットを当てる音楽特集が目立っている。
10月2日には『今夜は大熱唱! 昭和の名曲 歌うランキングSHOW』(テレビ朝日)という特番が放送された。前日にはNHK『SONGS』が『80年代名曲集』、6日にはNHK『うたコン』が当時の人気番組『レッツゴーヤング』を特集するなど、レギュラー番組も80年代に頼っている。どうしてなのだろうか。
「テレ朝とNHKは特にその傾向が強いですね。民放は主に10代から40代のコア視聴率に的を絞っていますが、テレ朝は50代以上を含めた世帯視聴率も取ろうとしている。NHKは受信料で成り立っているので、人口の多い50代以上にも訴求したいため、取り上げるのでしょう」(テレビ局関係者)
無料の音楽配信の影響で、若者も手軽に当時の曲を聴けるようになり、80年代が注目を集めていると言われている。
「嘘ではないのでしょうけど、テレビの数字にはあまり反映されていません。『昭和の名曲 歌うランキングSHOW』のコア視聴率も微々たるものでした。やはり、見ているのは圧倒的に50代以上です」(前出・テレビ局関係者)
テレビ局が80年代歌謡を特集する際、本人が出てきて歌うケースは数える程で、過去のVTRが中心になる。6日の『うたコン』もスタジオに近藤真彦(62)と松本伊代(61)がいるのに、本人の生歌唱はなかった。なぜ、昔の映像ばかり流すのだろうか。
「全体的な傾向として、歌唱中に数字が下がるからです。視聴者に1曲をじっくり聴く意思がない。3〜4分の曲のあいだに、チャンネルを変えられます。そのため、過去のVTRを20秒程度ずつ連続で流す。飽きがくる前に、次の曲を見せる構成にせざるを得ない」(前出・テレビ局関係者)
数年前まで10%前後を取っていた『うたコン』は、最近5%前後と視聴率が低下している。それでも、週間の音楽番組では大体1位になっている。それほど、音楽番組離れが進んでいるようだ。理由は、もう1つ考えられるという。
「番組側に『当時のスターたちを全員集めよう』という発想自体がないように感じます。例えば、80年代のアイドルといえば松田聖子さん、中森明菜さん、小泉今日子さんなどが挙げられますが、彼女たちに一緒の番組に出てもらうことをハナから諦めている節がある」(芸能記者)
すでに彼女たちは大御所になっており、仮にブッキングできても、順番や時間配分などに苦慮するだろう。
「かつてはテレビ局に大物プロデューサーがいて、全体をまとめていましたが、今は80年代のスターを束ねられる局員がいない。今のプロデューサーより、彼女たちのほうが年上ですし、仕方のない面はあります。しかし、数字を取れるからといって、安易に昔のVTRでお茶を濁していたら、逆に自分たちの首を絞めてしまう。過去映像は有限ですし、困った時に使うもの。それくらい、今のテレビが困窮しているとも言えますけど……」(前出・芸能記者)
過去の遺産は、あくまで遺産でしかない。大物同士の共演を実現しようと動くテレビ局は出てくるか。
画像ページ >【写真あり】近藤と同様に『うたコン』に出演しながら生歌唱しなかった「花の82年組」アイドル(他1枚)
