「あしたの暮らしをわかりやすく」をスローガンに、政府が国の施策などをまとめ、国民に周知するウェブサイト「政府広報オンライン」。その特集ページに10月26日、「くにお」と「たみよ」の夫妻が新たに登場したのだが、評判は上々……とはいえない状況だ。
「『くにお』と『たみよ』は、NHKの情報番組『チコちゃんに叱られる!』のチコちゃんを思い起こさせる2頭身のキャラクターで、制作には吉本興業が参加しているということです。
その2人が、ベタベタの関西弁で『夫婦漫才』をしながら政府広報を伝えるというコンテンツで、同オンラインのSNSには15秒のPR動画もポストされています。
2人は吉本新喜劇の舞台のようなお茶の間で掛け合いをしているのですが、Xには《国策漫才》といった辛辣な投稿もあるほどです」(政治担当記者)
初回は『日本の暮らしの7つの問い』として、防衛力強化、食糧・エネルギー・物流、外交など、日本が直面する安全保障の重要性を発信。高市政権は宇宙やAIも含めた防衛力強化のため、防衛費の増額を訴えていることから、「くにお」と「たみよ」で政策の理解を広げようと思ったのだろう。
これに対し、立憲民主党の蓮舫参院議員(58)が11月4日、自身のXに《関西弁、夫婦漫才。高市内閣の国家安全保障政策の広報。前年の10倍の72億円広報費用がこういう使われ方をされるのだろうか》と、内閣広報室が2027年度予算として概算要求した巨額の広報費用を引き合いに批判している。
それにしても、今回のコンテンツ、はたして「作品」の出来栄えはどうなのか。テレビ朝日のプロデューサーとして活躍し、ABEMAの立ち上げにも参画した映像プロデューサー・鎮目博道氏に聞いた。
「『安っぽい作りだな』というのが第一印象でした(苦笑)。まだ短いバージョンの動画しか発表されていませんが、3Dっぽい作りにはなっていても、キャラクターの口が動いていないため紙芝居のように見えてしまいます。
政府広報なので『わかりにくい問題を、わかりやすく伝えたい』というコンセプトがあり、また若者にも理解してもらいたい意図はわかりますが、関西弁で漫才をすれば若い人たちに『面白い』と刺さるかどうかは疑問です。むしろ逆効果ではないかと思います」
鎮目氏は「サイトのテキスト(文章)が長く、改行もされていません。そして言葉も難しい。SNS世代は、テキストが長いと読む気が起きません」と指摘する。改善策はあるのだろうか。
「若者たちは『面白い』ではなく『わかりやすい』を望んでいますから、『動画は面白い演出をすればいい』と考えているなら、それは間違いだと思います。
たとえば、アニメキャラではなく高市首相や閣僚本人が登場して、きっちりわかりやすく政策を解説するほうがいいのではないでしょうか」(鎮目氏)
ぜひとも、参考にしていただきたい。
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