【動画9】 認知症の母とお坊さん

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母とのお墓参りを撮影したが、撮影兼監督としては、あまり満足のいく結果とは思えなかった。母が、何回も休みを取る以外は、コレと言ってドラマがなかったからである!(ああ、とことん監督の私!)

imageただ、春らしい素晴らしい天候の中、自分が大好きな墓地の景色が撮れたので、ま、よし、としよう、そんな気持ちだった。当然、ウチにお坊さんが来ても、そんなにドラマはないんだろうなあ、と考えていた。

ところが、だった!!

お坊さんは、母が、トイレの中にいる時に来てしまった。長いトイレから出てきてお坊さんが来ていることが、分かったら、母は、どうするのだろう?

一体母は、どこなんだ?何をしているんだ?

imageなかなか母のことをカメラのフレームの中に捉えることが出来ない!!

えっ、白髪を抜いている!? アレっ、今度は、どこへ行った?暖かいのにガス・ストーブをつけろ、だって?母は、とにかく気忙しく動く。私も母につられて、落ち着かない。お坊さんのお経が、その間ずっと厳かに続く。

何だかバスター・キートンの無声映画でも見ているような気分だった。唯一違うのは、私には、母という被写体に対して、全くコントロールが、きかないことだった・・・

 

ドキュメンタリー映像作家 関口祐加 最新作 『此岸 彼岸』一覧

 関口家でも使っている、家族を守る”みまもりカメラ”

 

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