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「子どもの運命はつねにその母がつくる」と言い残したのはフランスの偉人ナポレオンですが、母が子どもの道を作りすぎるというのもいささか問題ではないでしょうか。

 

先日、タレントの渡辺美奈代さん(47)の長男・矢島愛弥さん(19)が7月にソロデビューすると発表されました。その曲はお母さんが得意としたアイドルポップスではなく、ラップの入ったヒップホップ調。この報告を受けた美奈代さんは拒否反応を示し、数日ショックを引きずってしまったそうです。

 

ちなみに同月19日には、美奈代さんの30周年記念ミニアルバム「HAPPY STORY」もリリース予定。収録曲には愛弥さん作詞の曲が収録されていたり、20年ぶりのビキニ姿を収めたブックレットもついていたりと盛りだくさん。47歳の美奈代ちゃん。少女のころも可愛くて、大人になっても可愛くて、母になっても可愛くて……。多少お姫様すぎる服装は気になるものの、変わらぬ美貌には尊敬の念すら覚えます。

 

さぞ自慢の母だと思います。ただどれだけ美奈代ちゃんがすごくとも、振りまく親子像に羨ましさを覚えない。それは、ひとえに親子から匂いつづける「マザコン」という4文字の“香りの強さ”につきるのでしょう。マザコン、それはマザーコンプレックスの略。子どもが母に対し、強い愛着や執着を持つ状態を指します。マザコンと検索すると、上位に「マザコンと孝行息子の見分け方」という記事が出てきます。このことからもマザコンが親思いの良さと悪さの両面を持つギリギリの存在だとわかります。

 

美奈代ちゃんの場合、母が息子を溺愛しているように見えます。だから正しくはマザコンではないかもしれません。しかし彼女と息子のやりとりを見ていると、濃すぎる親子愛にモヤモヤ感を覚えます。その正体は息子の背後にいつも母の強い愛がチラつき、顔にも声にも振る舞いにも母の息がかかっている気がすることにあるのでしょう。オスとして人気を集めなくてはいけないのに、素質うんぬんより先に「母」というベッタリ張り付いたラベルが出てくる。そこに、無意識の拒否反応が起きるのです。

 

女は男に魅かれるとき、顔や年収、地頭の良さや自分との相性など、さまざまな要素を加味しているもの。その基準の裏側には、つねに女性それぞれが思う“男としての強さ”が関係しています。顔であれば遺伝子レベルの強さを感じ、年収や学歴であれば生活力の強さを感じるのです。しかし“強さ”という基準で男性を見たとき、“マザコンっぽい”という言葉だけですべてのパワーがガクッと3段階ほど下がる感じがしてしまう。すべてキーワードの最後に「お母さんのおかげ」という一言が加えられているような気がするのです。

 

小さいころからかわいいといわれ、素敵な家族を持つ美奈代ちゃん。スクールカースト最上位な人生を地でいく彼女。ただどんなにお姫様人生でいられたとしても、息子という“いつか手放さないといけない王子様”は早めに旅出たせたほうがいい。家族全員が幸せに自立した本当の「HAPPY STORY」を歩むために。無敵の美奈代ママはいま、試練のときなのです。

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