ひとつの国であっても、その土地土地で全く違う景色がある。
例えば「東京」と「北海道」で比べればすごく分かりやすいのに、
海外だとひとつの都市に行っただけでその国を知った気になってしまうのは何故なんだろう。
人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!
わたしは昔スペインを周遊した時に、
大都会バルセロナと首都マドリードの違いに驚いたものだった。
うさこが見た景色から言えば、
バルセロナは都会らしくオシャレで、洗練された場所。
マドリードは夜中まで明るくてにぎやかでアットホームな場所。
またもっと突き詰めればオタクの聖地「秋葉原」とマダムの聖地「銀座」のように、
都市の中でさえ違ったものがあるはずだ。
海外に行っても、
ひとつの街だけではなく
いろんなところに行ってみたい…!!
そんな冒険心を満たしてくれる「海外でのプチ旅行」
台湾でならなんと往復500円もせずに出来る。
台北からたった1時間、
バスに乗り込みぼけーっとしてるだけであっという間にその地に辿り着いた。
「鳥来(ウーライ)」。
「鳥来」は温泉地として有名で、
街には温泉旅館が点在する。
「伊豆温泉」「箱根温泉」など何だかやたら聞き覚えのある名前を冠した旅館も多い。
そんな中でも今回宿泊したのはこちら。
『明月温泉』だ。
わたしはこれまで温泉=日本だとばかり思っていたので、
海外で温泉旅館に泊まるというのは非常に盲点だった。
気になって調べてみればアフリカや南極も温泉はあるらしい。
鳥来の温泉旅館は部屋にお風呂がついているのがスタンダード。
「それにしても、何故」と思うほどのガラス張りだが、一応カーテンもあるので安心してほしい。
部屋に入った瞬間、浴槽の檜が香った。
外へ出れば老街もあって食べ物屋さんやお土産屋さんでにぎわう。
おばちゃんたちのお客争奪戦に巻き込まれること必須だが、
名物の竹筒飯(竹の中にもちもちのおこわが入ってる)や小米もち(特産の小米で作ったおもち)などいろいろなものがあって楽しい。
ちょっと歩けば生命力漲る大自然。
中でも台湾で「瀑布」と呼ばれる滝が有名で、
あちこちから噴き出している。
「鳥来」の地名も原住民タイヤル族が温泉を発見し「ウーライ(煙が出る湯)!ウーライ!」と叫んだことに由来するという。
それだけ水が豊富な場所なのだ。
台風の接近中につき河は濁流にも関わらず、
河のほとりにある温泉で憩う地元の方々。
水着を着用すれば無料で入れる地元民のためのこの場所は、
恐らく地元のコミュニティとして機能しているのだろう。
朝早くから夜遅くまで、なかなか人が絶えない。
日本にも銭湯で喋るおばちゃんたちがいる。
きっと、温泉は人間を繋ぐ不思議なパワーがあるんだ…。
足湯もあるらしいが、
そこら中に湧き出てる温泉でぽちゃぽちゃ独り占めもできる。
旅館に帰れば、部屋の檜風呂だけでなく広い女湯が待っている。
「シャワーキャップかぶってね」と言われるほど清潔に保たれた温泉は
打たれ湯やマッサージのバブルジェットなどバラエティに富んでいて、長時間楽しい。
42度を越える熱いお湯もあれば、38度の長く入れるお湯もある。
そして、さすがに旅館なだけあって夕食・朝食までついてくる。
夕食は3種類から選ぶことが可能だ。
わたしがチョイスしたのは鮎をさっと揚げたもの。
身はほろほろとやわらかく、皮はパリパリでおいしかった。
地元で採れた野菜炒めも、ゴボウと小さな海老のフリットも絶妙。
ちょっと足を伸ばせば、想像だにしなかった顔が見える。
いろんなところにいろんな文化があって
世界はできているんだなぁ…。
また世界の広さを思い知ったうさこであった。
『明月温泉会館』
新北市烏來區烏來街85巷1號
平日値段3,600元(2人/1晩)~