様々な形態のカフェが増える中で、近頃ハンモックを導入するカフェを見かける。
ハンモックといえば元々アウトドアで使われることが多いはずだが、なぜカフェに?
人々はハンモックに何を求めるのか、調査してきた。
人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ……!
入口からハンモックが垂れ下がるーーここは大阪・高槻の「ハンモックキッチン」。
名前の通りハンモックがモチーフで、店外にも店内にもハンモックを置いたカフェだ。
席に案内してもらうと、イス2脚に加えてハンモックが。
「これはどっちに座ったらいいんですか?」と店長の寺野さんに聞いたら「お好きなほうで!」とのお言葉をいただいたので、もちろんハンモックを選んだ。
棒から吊るされたナチュラルカラーの布はやわらかく、そっと体を包み込んでくれる。
オススメのキッシュも、ハンモックでいただいた。
いつも5種類用意されたキッシュの中から、「海のアヒージョ」「森のラタトゥイユ」「かぼちゃ&クリームチーズ」をチョイス。
ぷるぷるとした食感と、しっかりした味わい。意外にもお腹に貯まるので、お昼にするにもちょうどいい。
時折揺れる感じも心地いい。なんてまったりした時間…。
気持ちい~~~~~~。
「ひとりハンモックはちょっとハードルが高いのでは?」と思っていたが、布がいい感じに外界を遮断してくれるので、周りを気にせずひとりの世界に没入することができた。
店員さんに聞いてみると、1人で訪れる人も少なくないらしい。
SNS映えした写真を撮るために訪れる人、高齢の方、仕事帰りのOL、近所の学生。
客層は様々だが、リラックスしたくてという人は多い。中には寝てしまう人もいるそうだ。
寝てしまってもいいんですか!?
わたしが驚くと、寺野さんは「全然寝ても大丈夫です」と笑った。
「ここではリラックスしていってください!ハンモックが好きのオーナーが、大人がゆっくり出来る空間を作りたくてこのお店を作りました。ハンモックは、来てくれたお客さんに「おかえりなさい」と言えるような安らげる空間を作る装置なんです」
確かに安らげる度合が違うな……。
電源も使用させていただけるので、充電しながらスマホがいじれる、とっておきのハンモック要塞が完成した。
普通のカフェでこんなにくつろいでたら白い目で見られてしまうかもしれないが、しょうがない、ハンモックがあるんだから!と、全てをハンモックのせいにしてしまえる。
わたしは靴を脱いであぐらまで掻いて、スマホに没頭した。
自分にとって無理のない姿勢をハンモックが作ってくれるからか、いつもよりずっと集中できる。
眠気を感じたらちょっと居眠りしてもいい。
眠るときも布がサポートしてくれるため、机で寝落ちしたときのような不快感や首の痛みがまるでない。
さらに、ちょっとサマになるというおまけつきだ。
リラックスとSNS映えどちらも果たすとは、注目されるのも頷ける…。
「子どもにも人気なんですよー」との寺野さんの声に、思わず納得。
そういえばわたしも小さい頃ハンモックとロッキングチェアに憧れてやまなかったし、こんなの大興奮に違いない。
赤ちゃんを乗せると泣き止むこともあるらしい。「何より赤ちゃんがハンモックで揺られる姿はかわいい」という情報には、想像して萌えるしかなかった。
店外のハンモックも飾りではなく、座ることができる。
店内のクロス(布)タイプとは違い、ネット(網)タイプのため乗る時に揺れてオロオロしたが、乗ってしまえば
はい、まったり。
今後さらにハンモックを増やす予定だという。
全力で休める空間を作る装置「ハンモック」。
どこにいても周りの目を気にしてしまう現代だからこそ、リラックスを許してくれるこの装置がウケるのかもしれない。
かわいいおべんとうとキッシュランチ
『hammock kitchen』
http://www.hammockkitchen.com/
大阪府高槻市川西町1-1-10
電話番号:090-9693-1477(営業時間内9:00~17:00のみ)