坐薬を経験したまめがたどり着いた結論『まめ日和』第151回

35歳の誕生日
その日はまめと仲良く並んで一日中寝ていた。
時折ひどい吐き気に襲われてトイレに駆け込む以外はとてもじゃないけれど動ける状態じゃなかった。
まめも私も生まれて初めてのウイルス性胃腸炎。
35年間生きてきてそりゃあ色々な病気や怪我をしたけれど
ウイルス性胃腸炎というのはその中でも群を抜いて辛い。
大人の私でさえそうなのだから4歳のまめの辛さはどれほどのものだっただろう。

 

水分を取らなければならないのに一口でも水を飲むと吐き気が襲ってくるという無限ループですっかり衰弱したまめは当然薬を飲むことなどできないため坐薬が処方された。

 

尻に薬を入れるという行為にまめは当然拒否反応を示した。
そりゃそうだ。ただでさえ辛いのに何が楽しくて尻の穴に薬なんぞを突っ込まなければならないのか。
とはいえ、吐き気を抑えなければ脱水症状がひどくなってゆくだけなので悠長なことなど言っていられない。
私はふらふらの頭で思いつく限りの坐薬の素晴らしさを唱えた。
こんなに必死でプレゼンしたのっていつ以来だろう。
あの時の私は人生で一番真剣だったと断言できる。

 

なんとかまめの同意を得て坐薬を入れることに成功してからの展開は早かった。
坐薬の効き目は本当に早く、吐き気が治まり水が飲めるようになったまめはみるみるうちに回復した。
一時間半くらいで完治していたように思う。
まめ自身、その効き目にはたいそう驚いたようで
その日は食べ物や飲み物全般を尻から摂取したがった。

 

どうやら「尻から摂取するとなんでも効果倍増」ととったようで
そうじゃないんだと伝えようにもまだ胃腸炎の症状すら治まっていない私の脳は全く使い物にならず
私は布団の中から弱々しく微笑むことしかできなかった。

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