【今週の悩めるマダム】
コロナのせいで習い事(手芸教室とワイン教室)をやめてずいぶんとたちます。でも、50歳を目前にしてこのままずっと家に引きこもって、家事ばかりしていていいのか悩んでいます。また、一回り年上の主人は私に負けないくらいコロナ不安が強く、2人して家にこもりがちになっています。(東京都在住・40代主婦)
平均寿命が延びたことで、人生100年時代に突入したと言われています。65歳で定年したとしても、残り35年もあるわけです。奥様の場合ですと、半世紀も余生があることになりますね。人間には、50歳までの人生と、50歳からの人生と2種類あると思うのです。いいえ、人によっては40歳からの人生もあるでしょう。つまり、第二の人生のほうが長いということです。そんなに時間があるのに、老後という烙印を押されて家に引きこもって生きていくのはまさに地獄。死ぬまでは、与えられた人生を楽しむべきだと思いますし、人によっては“一生青春”もあり得るのです。
コロナは確かに怖い感染症だと思います。家から出たくないという気持ちも当然でしょう。僕はフランス在住ですから、とてもじゃないですが、レストランさえ行けません。しかし、人間はどのような状況であろうと人生を楽しむことができる動物ですし、その権利があるのです。幸い、今の時代はネットが普及しており、コンサートも講演会も、学校の授業や仕事の会議までオンライン化が進んでいます。奥様の場合、ご主人も同じような状況とのことですから、お2人でオンライン習い事にチャレンジしてみるのはどうでしょう? コロナ禍で、さまざまなオンラインサービスが開設されました。実は僕も先日、ベルサイユ宮殿やエッフェル塔のオンラインツアーを計画し、1万5千人ほどの方々に楽しんでいただきました。大反響で、今後も続けてほしい、と要望されています。
さらに、私事で恐縮ではありますが、11月から、「地球カレッジ」というオンラインの学校をスタートさせることになりました。毎月2回、世界各地で活躍されるさまざまな講師の皆さんをお招きして、それを僕がパリから中継させていただくという内容です。第1回は11月14日に、テレビでも話題のお坊さん、大阿闍梨の塩沼亮潤さんとの講座があります。塩沼さんは9年間、毎日48キロを踏破する千日回峰行を満行されたお坊さんでもあり、「人生大相談」と題して、生きること、幸せになるということ、人生について、など2人で大問答を展開する予定です。
11月29日にはパリ在住の中村江里子さんをお迎えして「ライフスタイル」「子育てと自分育て」という2つのテーマで討論させてもらいます。ワインやチーズ、食全般のスペシャリストが登壇する日もあれば、美術館やアートの専門家がガイドする日もあり、デザイン、哲学や文学を学ぶ日もあります。どうですか? 楽しそうでしょ?
このように、学ぶことに終わりはありません。学ぶことで脳が鍛えられ、豊かな人生が開けていきます。好奇心を持ち続けることこそ、人生100年時代の後半戦に必要なことではないでしょうか。
【JINSEIの格言】
老後という烙印を押されて家に引きこもって生きていくのはまさに地獄。死ぬまでは、与えられた人生を楽しむべきだと思いますし、人によっては“一生青春”もあり得るのです。
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「女性自身」2020年11月3日号 掲載