08年の年末、東京松坂屋銀座店で開かれた翔子さんの個展では、10歳にして書かれたこの作品は来場者を圧倒するに十分だった。完成までの背景から、涙の般若心経とも評されるーー。「まだ十歳で、しかも知的障害を持つ翔子には無謀とも思えましたが、これくらいのことをしなければ、私たちは心の持って行き場がなかったのです」 泰子さんが、何枚もの半切(画線紙)に銀色の罫線を引いた。それを「...

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