いよいよ辞職待ったなしに追い詰められた舛添要一都知事(67)に、またまた新たなスキャンダルが――。
「彼は、自分では1文字も翻訳してない本を『舛添要一・訳』と称して出版しているんです。その本を実際に翻訳したのは、この私なんです」
そう告発するのは現在、東京外語大と上智大で国際政治学の講師を務める、青地イザンベール真美さん(49)だ。自身の実績を舛添氏に横取りされたのは、彼女が東京大大学院総合文化研究科国際社会科学選考博士課程2年生だった94年のことだという。
「国連事務次長も務めたフランスの著名な政治家、ジャンマリ・ゲーノの著書に『民主主義の終わり』という本があります。当時、この日本語訳を舛添さんが引き受けていたものの、いっこうに進んでいない状況でした。そこで、研究室の先輩を通じて、私に翻訳を手伝ってほしいという話があったんです。舛添氏は当時、東大助教授を辞めて数年経ち、『国際政治学者』としてテレビで活躍されていました。ところが頼まれた翻訳作業に彼が何カ月も手をつけず、ゲーノ氏から出版社に怒り混じりの催促があったそうです」
事前に舛添氏との顔合わせがあったが、舛添氏は「ああ、よろしく」と不機嫌そうに挨拶するだけだった。それからイザンベールさんは丸々3カ月を翻訳作業に費やした。当時、新進の政治学研究者だった彼女にとって、ゲーノ氏の著書の翻訳は、立派な業績となるものだった。結局、翻訳は彼女がすべて1人でやり、最終原稿を出版社に渡したという。
「ところが驚いたことに、本が出版されると、ただの1文字も翻訳に携わってない舛添氏だけが翻訳したことになっていたんです。駆け出しで無名だったとはいえ、私はゴーストライターとしてではなく、研究者として翻訳の仕事を受けたのです。せめて『舛添要一監訳 イザンベール真美訳』とするべきでしょう。私が数カ月かけた業績がすべて舛添氏の業績になるのはとても辛かったですし、今でも許せません」
とくに許せないのが、本の最後に書かれた“訳者あとがき”だという。
「舛添さんは、こんなことを書いているのです。『本書を訳出し始めると、原語で読み進めたときには逢着しなかった様々な困難に出くわした。そのために何度も手を加えることになり、予想外に時間がかかってしまった』。よくもあんな真っ赤なウソを書けるなと思いました」
またもや“セコすぎる過去”が発覚した舛添氏。最後くらい“潔い引き際”を見たいものだが――。