公開中の映画『県庁おもてなし課』は、実際に高知県庁にある「おもてなし課」がモデル。ここにかぎらず、変わった名前をつけて民草の注目を集めるのが、今ひそかな“お役所ブーム”のようだ。そこで今回は、全国各地の“ユニーク課”を紹介しよう。
【高知県 観光振興部「おもてなし課」】
「高知を訪れた方の笑顔と、『来てよかった』という声が、この仕事の喜びです」とは、錦戸亮(28)が映画で演じた「おもてなし課」職員の“ホンモノ版”、藤村建太主幹(32)。課は’07年に発足し、観光客に提供する資料を作ったり、施設の整備などを行っている。高知観光の“縁の下の力持ち”である同課は、心のこもった「おもてなし」で観光客の満足度を高めるのが最大の使命だ。
【佐賀県 武雄市 つながる部「お結び課」】
「少子化、生涯未婚者の増加は、この武雄市だけではなく日本全体の問題。なんとか歯止めをかけられたら、と発足しました」と語るのは、武雄市「お結び課」の古川英明課長(69)。‘10年に発足した同課は、結婚したい男女を“仲介”するのが大きな特徴。「“お節介おばさん”みたいに、登録者の独身の男女のマッチングをし、お見合いまでの調整をします」(古川課長)。これまで4組が結婚し、10組が交際中だ。
【山梨県 富士吉田市 産業観光部「富士山課」】
世界文化遺産に登録間近の富士山に関する観光業務全般を請け負う。企画の立案のほか、毎年20万人近い観光客のための救護所、安全指導センター、トイレの運営など。「まだ異動して1年目ですが、大好きな富士山が仕事場になり、とてもやりがいを感じています。趣味が登山なので、登山者ならではの視点を持って頑張っております」(同課・小野勝彦さん)
【兵庫県 芦屋市 企画部「お困りです課」】
「親切・ていねい・迅速」をモットーに、’03年に設置。女性課長を筆頭に、スタッフ全員が女性だ。市政への意見や苦情のほか、離婚や相続などの家庭内問題、遺言や借金についての法律問題など、「困り事」の相談を受け付ける。内容に応じ、専門家の紹介も。「市民の皆さんからいただく『おかげで助かりました。ありがとう』の言葉が喜びです」(同課・一同)
これらの他に、「有田みかん課」(和歌山県有田市)、「竹田城課」(兵庫県朝来市)、「すぐやる課」(千葉県松戸市)、「いのしし課」(佐賀県武雄市)、「町民課 出逢い、めぐり逢い支援係」(青森県深浦町)、「りんご課」(青森県弘前市)、「うめ課」(和歌山県みなべ町)など、“ユニーク課”は全国に急増中の模様。