再就職を目指す主婦にとって、資格を持つことは大きな武器になる。だが、星の数ほどある資格の中で、本当に『使える』資格とは?そこで、各専門家にジャンル別の『オススメ』資格を教えてもらった。

 

最初は、ビジネス系の資格から。面接の際、1つでも多くの資格を書いておきたいのなら、1カ月程度で取得できる「マイクロソフト認定資格」(MOS)がオススメ。オールアバウト資格ガイド、キャリアカウンセラーの中瀬路子さんは次のように話す。

 

「ワードとエクセルを使い慣れている人なら、テキストを本屋さんで買って、独学で勉強すれば5千円ほどですみます。事務職は人気ですが、悲観することはありません。履歴書に何も書くことがないと嘆く前に、簡単な資格を取れば採用に一歩、近づきますよ」

 

また、大手証券会社ではコールセンターの人員を増やしていることから、「証券外務員」のニーズも高まっている。

 

「生命保険会社をはじめ、金融、保険の窓口などでは、顧客の相談にものる『ファイナンシャル・プランナー』の人員確保を急いでいます。金融関係の資格は、ライセンスを維持するために、講習を受けるなどの勉強をしなければならない場合がありますが、一度取得すると、年齢に関係なく働くことができます』(同前)

 

次に「福祉・医療・介護系」の資格。通信講座を多く持つ「生涯学習のユーキャン」によると、’13年、40〜50代の主婦にもっとも人気だったのがこの分野の講座だった。

 

「医薬分業で調剤薬局の数が増えたことから『調剤薬局事務』が1位でした。2位は『医療事務』。3位の『介護事務』は、将来、自分の親を介護するときに知識が役に立つという理由で取得される方も多かったです」(同社教育事業部・山本裕美さん)

 

短期間で取得でき、ライフスタイルに合わせて働き方を選びやすい仕事に就ける資格が人気だったという。

 

「介護といえば『介護職員初任者研修』(旧・介護ヘルパー2級)がかつては定番でしたが、もっと短期的に取得できる資格があります。介護が必要な人が在宅で暮らすため、レンタルできる福祉用具をそろえる『指定福祉用具賃与事業所』が増えています。そこでは、用具のアドバイスをする『福祉用具専門相談員』を2人以上配置しなければならない決まりがあり、注目が集まっています(中瀬さん)

 

そして、最後は「サービス系」の資格。新しいことを一から始めるよりも、過去の経験や自分が好きなことをもう一度見直し、自分に見あった資格を選ぶのがポイントというのは、ハナマルキャリア総合研究所代表でキャリアコンサルタントの上田晶美さん。

 

「東京五輪までに通訳になるため、語学の勉強を始めた女性がいました。彼女は短大の英文科を卒業したものの、英語を生かした職業には就いていませんでした。しかし、自分が好きなことは何か思い出したのです。語学でなくても、料理が好きなら、食にまつわる資格『食生活アドバイザー』、部屋の片づけが得意だったら『整理収納アドバイザー』など、毎日の延長線で取得に結びつく資格もあります」

 

資格を取得した人に共通している点は、みんな時間の使い方がとても上手なことだそうだ。資格取得に近道はないが、遠回りする必要もない。おカネと時間を効率的に使って、レッツ・ステップアップ!

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