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「映画『君の名は。』や『シン・ゴジラ』の大ヒットに沸く東宝は利益が330億円となり、従来予想から107億円増えました。5期連続で最高益を更新予定だと発表。好調な業績に連動して、5万円アップの95万円のボーナス支給となる見込みで、それとは別に、10万円ほどの特別ボーナス支給も検討されています」(経済部記者)

 

もうすぐ到来する冬のボーナスシーズン。今冬は、過去最高の伸び率を記録した昨年よりもさらに金額が多いという結果になるという。経済部記者はこう語る。

 

「経団連が発表した大手企業71社の今冬のボーナスの妥結状況(第1回集計)によると、平均額は前年比0.84%アップの92万7,892円となり、最も高い水準となります」

 

そこで本誌は、話題企業50社のボーナス明細を総力調査。経団連などの経済団体の発表や労働組合への取材などを基に、各社35歳モデル社員への支給額を独自に算出した。

 

それを見ると、前出の東宝やスマホ向けゲーム「ポケモンGO」が好調な任天堂など、ヒットを飛ばした企業が順当にボーナスアップを勝ち取った。

 

視聴率が低迷し民放キー局で唯一営業赤字を計上したフジテレビも、キー局で唯一のボーナス減だがそれでも130万円とまだまだ高額だ。“過労死問題”に揺れる広告代理店大手の電通は143万円とこちらも大盤振る舞いだが、前出の経済部記者は次のように話す。

 

「多額のボーナスと残業代支給の引き替えに社員に長時間労働を強いてきました。現在も夜の残業が早朝出勤に変わっただけで長時間労働の実態は変わっていません」

 

機能性ヨーグルト「R-1」が健康志向の高い消費者に支持され、売上高5%増の9,143億円を計上した食品大手の明治など、食品メーカーのボーナス増も目立つ。

 

「明治の好調の理由のひとつは主力の乳製品やチョコレートの値上げです。ほかの食品会社も値上げによる利益増でいまは潤っていますが、消費者が反発することも予想されます」(労働組合関係者)

 

メガヒットを飛ばした企業が順調に業績を伸ばし、ボーナスもアップさせている一方、話題になっても、ボーナスの支給額が増えない企業もある。

 

現在放送中のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』のモデルとなった子ども服のファミリアは63万円にとどまっている。繊維や食品、流通など内需型企業2,500組合を有する国内最大産業別労働組合・UAゼンセンの関係者は、“朝ドラ効果”が不発に終わった理由をこう解説する。

 

「ファミリアや英国バーバリーとのライセンス契約を終了した三陽商会などアパレル各社は、少子高齢化、消費増税や中国人観光客爆買い需要失速のあおりを受け低調気味です。アパレルに限らず、百貨店や小売業は大手輸出型製造業に比べもともとの賃金水準が低く、企業間格差は広がるばかりです。ニトリなど一部好調な会社はあるものの、全体的には厳しい状況です」

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