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「島根県の女性は働き者が多く、仕事も家事も手を抜きません。それが品数の多さにつながっているのかも。でも、思いっきりゴージャスというより、どこか厳かさを備えているイメージです。高級食材を使うのではなく、季節のお野菜も含めてそのときどきのものを、彩りもバランスも考慮して入れていくんです」

 

こう話すのは、島根県出身で料理研究家の園山真希絵さん(39)。冷凍食品製造・販売の大手「ニチレイフーズ」が4月に「47都道府県のお弁当事情に関する調査」を発表。20代から60代の男女およそ3万人にお弁当作りについてのアンケート調査を行ったところ、日本人のおよそ「4人に1人」が平日は、ほぼ毎日お弁当を作っているという。そして調査によってわかった、お弁当のおかずの品数全国トップは島根県の「5.8品」だった。

 

「ひとつのおかずだけを多く摂取すると、栄養素が片寄ってしまいます。すると余分な栄養素は、脂肪として蓄積されてしまうだけ。母の作るお弁当は、おかずを少量ずつ、ちょこちょこと食べることができるものだったんです。そうすると、さまざまな栄養素を過不足なく摂取することができるので、健康にいいのと同時に、最高のダイエット食にもなっていたんです」

 

そんな出雲の伝統にあやかって、園山さんが“縁結び弁当”のレシピを伝授!そのポイントも解説してくれた。

 

■お品書き(材料はすべて適量)

 

【1】春キャベツと豚のしょうが焼き(材料・春キャベツ、豚バラ、たまねぎ、すりおろししょうが、みりん、液体塩こうじ、醤油、ごま油、ブラックペッパー、片栗粉)

 

【2】桜エビとえだまめのスクランブルエッグ(材料・卵、桜エビ、塩ゆで枝豆、無調整豆乳、みりん、液体塩こうじ、オリーブオイル)

 

【3】たけのこのおかか青のり煮(材料・ゆでたけのこ、かつお節、みりん、酒、醤油、青のり、だし昆布)

 

【4】生ハムアスパラ巻き(材料・生ハム、アスパラ)

 

【5】彩りのお野菜(材料・ミニトマト&ブロッコリー。おかずの下に敷くものとして、レタス&だいこんの葉)

 

【6】味くらべご飯(材料・ゆかりまぜご飯、焼き鮭フレーク入り昆布のせご飯)

 

■園山さん直伝!お弁当に使えるポイント

 

【1】「しょうが焼きの豚肉は、ほかの調味料といっしょに市販の液体塩こうじをお肉に軽くもみこみます。そうすると、お弁当として持ち歩いたとき、冷めてもお肉が硬くなりにくいんです(2の液体塩こうじも同じ理由です)。また、いっしょに炒めるお野菜は、いまが旬の春キャベツを使いましょう。食感もシャキシャキかつやわらかに!」

 

【2】「厚焼きではなくスクランブルにすることで、手間がかからず、卵のジューシーさもキープ。マヨネーズ小さじ1を溶いて炒めると、スクランブルエッグのまろやかさが増します。桜エビとえだまめで、春のイメージの彩りを。ちなみに、私は大豆でダイエットに成功した経験があるので、どこかに必ずお豆を使うようにしています」

 

【3】「季節を意識して、たけのこを炊きました。味はしっかりめにつけて、かつお節と青のりで風味をプラスします」

 

【4】「ゆでたアスパラを生ハムで巻くだけで完成!すぐにできあがる時短メニューです」

 

【5】「お弁当で大事なのは、カバンやリュックの中で片寄らないように、なるべくぎゅうぎゅうに詰め込むこと。形崩れしない緑黄色野菜は、便利なんです」

 

【6】「ゆかりは抗菌効果と同時におかずの味の濃さをすっきりさせてくれます。昆布は3でおだしに使ったものを効率よく利用しましょう。中に鮭フレークを使っているので、お口にいれたときのお楽しみが増えますよ」

 

島根女性は「世話焼き」な性格の持ち主でもあると語る園山さん。作って食べさせれば、男性の胃袋をつかむこと間違いなし。まさにおいしい“縁結び”のお弁当なのだ。

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