ついにやってきた「冬のボーナス」シーズン!11月13日に経団連が発表した資料によると、大手企業76社のボーナス平均妥結額は前年同時期比で5.79%増の82万2千121円。これは2年ぶりのプラスで、伸び率はバブル期だった90年の6.15%に次ぐ高水準だという。
そこで本誌は、大手53社のボーナス額を徹底調査!各労働組合連合が発表した資料や経済団体のまとめた資料をもとに個別取材し、モデル社員となる35歳正社員の推定支給額を算出した。
驚いたのが、35歳にしてボーナス支給額100万円超の企業が5社もあったこと。最も伸び率が高かったのは自動車業界で、経団連の資料によると13.02%増という過去最高の伸び率を記録しているという。実際、本誌調査でも1位のホンダが108.6万円と大台に乗せたのを筆頭に、3位のトヨタ自動車が102.5万円、4位の日産自動車102.1万円などトップ5のうち3つを自動車企業が占めていた。
自動車産業各社の労働組合が加盟する『自動車総連』に取材すると、「業績自体が良かったので、それに合わせてボーナスも増額しているということでしょう。為替や円高が落ち着いたことが増加の一番の要因だと思いますね」という高い伸び率を反映したような明るい答えが帰ってきた。
金融業界では、2位の三井住友銀行が103万円、暴力団への融資騒動で激震が走ったみずほ銀行も堂々の100万円で5位にランクイン。続いて三菱東京UFJ銀行も98万円と6位に入っており、メガバンク3行が揃い踏みで上位に登場している。
だが喜んでばかりもいられないようだ。経済ジャーナリストの森永卓郎さんは言う。
「実は今年4~6月期の法人企業統計によると、大企業は50%の増益なのに対して中小企業は逆に13%の減益となっているのです。今後は消費税の増税も控えており、こうした企業はさらに減益になることが予想されます。平均賃金については来年は上がる可能性はほぼないですね。年明け3月まではこのまま好景気のままでいられると思いますが、4月で一気に失速すると思います。これから進んでいくのは格差社会にさらに輪をかけた超格差社会。ボーナスアップどころか、給料が激減する企業が続出するでしょう」