「’14年4月の消費税増税のタイミングで、ほとんどのお店では値上げに踏み切りました。並行して急激に円安が進み、その影響で輸入品の価格が上がり、すべてのもので“値上げの連鎖”が起こったのです」(ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子さん)
現在、庶民のサイフを直撃する値上がりの原因は、急激な円安によるもの。その影響で値上がりするものは、おもに3つある。ひとつは、直接の輸入品。ワイン、衣料、家具などのほか、レモンなどの柑橘系、レーズンなどのフルーツもそうだ。ふたつ目は、輸入燃料に依存している商品。電気代、ガス代、さらに重油を大量に使うハウス栽培の野菜などの値段が、一気に上る可能性も。
そして、輸入穀物が原料とされるもの。小麦やトウモロコシ、大豆の値段が上がると、ほとんどの食品が影響を受ける。小麦の価格はパンや麺類、さらにはお好み焼きのような「粉もの」の値段に直結する。
「大豆から作る味噌や醤油の値段が上がると、スーパーで売られているお惣菜などの中身や、コンビニ弁当などの値段も上がるかもしれません。仮に値段が据え置きだとしても、中身を減らすなどの対策が行われるのでは。穀物から作られる食用油が値上がりすると、油を原料にしているマヨネーズやツナ缶といった食品もまた、値上がりするでしょう」
こう語るのは、節約アドバイザーの武田真由美さん。値上げラッシュは外食産業にまで及んでいる。こうなるとまるで値上げのドミノ倒し状態だ。家計の赤字を抑えるためにも、武田さんは今のうちに「まとめ買い」しておくことを提案する。
「食用油やカレールー、紅茶のパックなどは日持ちする食品なので、消費期限で使う分くらいはストックしておいたほうがいいでしょう。今後は、外食も回数を減らして。外食はハレの日だけにしたほうがいいでしょう。仕事が忙しくて調理する時間がない場合は、外食やお惣菜などの中食を利用せず、値段が下がった野菜などを使って、おかずの作り置きをしておくと便利です」(武田さん)
前出の花輪さんは、現在、お米の値段が下がっているので、パンからお米中心の食事に切り替えたという。
「100円スーパーで売っているギョーザやシューマイなどは、その日のうちに食べきれる量なので便利です。調味料も100円ショップで売られているものは、中身は少ないかもしれませんが、それを使い切るほうが、結果としてお得です」(花輪さん)
値上げラッシュに負けないよう、自分の家計は自分で防衛するしかない!