もしかして、定期預金を放置していませんか? 超低金利時代にそれは「もったいない」の極致。高リスクの投資でなくても“価値を上げる”方法はあるのです。仮に100万円があったとしたらーー。
「現在、空前の低金利です。一昔前の金融商品のように、複利計算で年利3%あれば、お金を預けただけで、24年後には倍に増えていました。ところが今の普通預金の金利は、わずか0.001%です。預けたお金が倍に増えるまでに、なんと7万2000年もかかってしまいます。たとえ100万円というまとまったお金を預けても、1年の利息はわずか10円。“これでは預けても意味がない”と、タンス預金にする人も多いでしょう。しかし、お金は手元に置くだけでは“成長”しません。工夫が必要なのです」
そう力説するのは、『図解でわかる! 投資信託』(秀和システム)など多数の著書がある、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんだ。生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは、このようにアドバイスする。
「お金は、預け場所を変更するだけ、まとめて払うだけで、得するケースが多い。今は元本割れをしない金融商品や投資といっても、安全に運用できる投資信託商品もありますので、まずはそういった情報を得ることが大事です」
そこで今回、手元に“100万円のへそくり”があると仮定して、柏木さんに実利重視で考えたその「お金の生かし方」を解説してもらった。
「年金受給年齢が近づいている人で、まだ収入があり、手元に余剰資金があるなら、受給開始を待ってみてはどうでしょうか」(柏木さん・以下同)
年金は1カ月繰り下げるごとに、受給額が0.7%ずつ割り増しされる。1年繰り下げれば受給額は8.4%増に、最長70歳まで繰り下げれば42%増になるのだ。
「40年間払い込んだ場合の老齢基礎年金の受給額が77万9,300円なので、もし手元に100万円あれば、15カ月ほど受給開始を遅らせられます。そうすると、もらえる年金は、満額の10.5%増になる計算です。現在、国で検討されていて、’20年ごろには70歳以降の繰り下げも可能になる見通し。だいたい平均寿命以上生きれば、その後の人生は繰り下げたほうが得をするよう計算されています。もう女性の90歳超えは当たり前の時代。無理のない範囲で年金受給を繰り下げることは、将来の安心につながるのではないでしょうか」