「今回の調査で『自分は「倹約家だ」と思う』(女性)という質問にYESと答えた割合がもっとも高かったのは大阪府(76%)。大阪府は、『現在の貯蓄額』でも堂々の1位。このほかの意識調査でも、『貯蓄の目標額を設定している』でトップ。『お金をかけるものとかけないものを決めている』でも3位でした。この結果から、大阪の人は堅実で、お金を使うときと使わないときにメリハリをつけられる府民性がある。これが、貯蓄額に結びついていると考えられます」
こう語るのは、ソニーフィナンシャルホールディングス金融市場調査部のシニアアナリスト・石川久美子さん。お金の使い方からあなたの県民性が見えてくるーー。
このたび、お金にまつわる興味深いアンケート調査が発表された。ソニー生命が実施した「47都道府県別 生活意識調査2018」である。アンケート調査によると、次の項目の上位にはこんな県がランクインした。
【自分は「倹約家だ」と思う】(女性)
1位:大阪府(76%)
2位:愛知県(66%)
2位:京都府(66%)
2位:山形県(66%)
2位:東京都(66%)
【1カ月のおこづかい】
1位:東京都(3万5,150円)
2位:神奈川県(3万3,250円)
3位:愛知県(3万1,850円)
4位:三重県(3万1,250円)
5位:滋賀県(3万800円)
【現在の貯蓄額】
1位:大阪府(605.6万円)
2位:滋賀県(556.1万円)
3位:京都府(539.7万円)
4位:神奈川県(506.4万円)
5位:兵庫県(500.9万円)
【自分は「浪費家だ」と思う】(女性)
1位:沖縄県(52%)
2位:石川県(44%)
2位:奈良県(44%)
4位:福島県(40%)
5位:大分県(38%)
【自分は「浪費家だ」と思う】(男性)
1位:富山県(46%)
2位:長野県(44%)
3位:岩手県(42%)
4位:茨城県(40%)
4位:静岡県(40%)
この5項目のほかにも、「自分は家計管理が得意だ」「家計簿をつけている」「衣類・ファッションにお金をかけたい」など、多くのアンケート調査から、県民性がわかるデータだ。
そこで、今回のデータを分析した石川さんに、ランキングからわかる「お金の県民性」について解説してもらった。
まず、大阪府がトップに輝いた「自分は『倹約家だ』と思う」(女性)で、最下位だった茨城県(47位)。
「茨城県は、『現在の貯蓄額』では32位(311.7万円)と関東の中でも低く、『貯蓄額の目標を設定している』意識調査では45位。さらに『お金をかけるものとかけないものを決めている』でも37位と、お金に対する管理意識が低い」(石川さん・以下同)
だが、茨城県は「自分はマネー関連の意識が豊富だ」の項目で15位。「ライフプランを作るのが得意だ」では11位と、平均以上の順位だった。
「ここから茨城県の人は、自己認識と現実がかけ離れていて、お金との付き合い方が得意ではないということがうかがえます」
次に「1カ月のおこづかい」を見てみよう。上位はやはり所得の多い首都圏が多い。しかし気になるのは、首都圏でありながら埼玉県が22位(2万4,750円)で、全国の平均額(2万4,822円)以下だということ。
「埼玉県の場合、おこづかいに行くお金が、生活費に回っている可能性が考えられます。それは東京の“ベッドタウン”という側面があるから。東京まで通勤したり、通学する人が多く、物価が高い東京で必要経費がかさむので、自由に使えるお金が少なくなるということが考えられます」
ちなみに、1位の東京都(3万5,150円)と、最下位の大分県(1万8,200円)には、1万6,950円差がある。“おこづかい”ランキング下位には地方の県が並ぶが……。
「地方は車社会です。都市部ほど、簡単に飲みに行ったりできないので、お金を使う機会が少ない。ライフスタイル的に、都市部ほどおこづかいを必要としないのでしょう」
※ランキングは、ソニー生命保険株式会社が、2017年11月に全国4,700人(各都道府県100人)の20〜59歳の男女に対し、実施した調査による。