画像を見る

本誌5月7日号にて、人生100年時代を生き抜くために「元気の秘訣を」教えてくれた大正生まれの女性たち。いつまでもエネルギッシュに活躍する彼女らが、「言い残したことがある!」と語り始めたのは、新時代を迎えるにあたっての、社会、そして女性たちへの“激励メッセージ”だった――。

 

「元号がどう変わろうと、世の中は人の手で作りあげるものだからね。特別何かが変わるものではないですよ。昔はいろんな人間がその時代の社会に積極的に参加していたけれど、いまは、みんな同じようにくっついていくだけだから、“粋”な人は現れないよね」

 

新時代の幕が開け、“浮かれモード”気味でもある日本。しかし、お笑い界の“重鎮”、内海桂子師匠(96)は、そう指摘する。「令和」という言葉についても、「う~ん、悪くはないけど、いいというわけでもないね」と言いながら、こう続ける。

 

「いまは政治家にしても、“俺についてこい!”“俺に任せろ!”と、時代の先陣を切る頼れる人がいないわけよ。これはどこの業界、どの業種にも言えること。もちろん、お笑い界にも当てはまります。結局、そういうリーダーシップのない人たちの下に人がついていくんだから、みんな横並びで、人間の価値や個性がどんどん薄くなってきているのよね」

 

いまでも大正生まれの女性たちが現役として活躍しているように、桂子師匠が若かりしころの昭和にも、明治生まれの人たちが、活躍を見せていた。

 

「あの時代は厳しかったけれど、そんな世の中を変えようと、個性豊かな大人たちがいたものですよ」

 

小学3年生のときから、子守奉公として働いてきた彼女は、そんな大人たちを目の当たりにし、気づいたことがあるという。

 

「“時代は自分で作るもの”なんです。ずっと働きっぱなしで世の中を見ているから、その移り変わりを見ていくうちに、“どうせ変わるなら、世の中は自分で変えていけばいいじゃないか”と思ってね。生き方ひとつで、世の中は楽しくもつまらなくもなる。自分に合った生き方は何なのか、それがわからないようでは、世間に踊らされるままに生きてしまう。そんな人間が、他人の世話なんて焼けないですよ。自分の時代は、自分の手でつかまないと」

 

桂子師匠は、’10年からツイッターを始めており、そのフォロワー数はなんと現在約48万人。毎日、身近で起きた出来事や社会ニュースなどをチョイスし、師匠ならではの目線で、時代を切り取り続けている。

 

取材中は、いまの世相について厳しく語ってきた彼女だが、ツイッターでは《新元号のもとどんな日本が築かれていくのかとても心がわくわくする。》(4月1日の投稿)と語っていた。

 

最後に、新時代に期待することを聞いてみると。

 

「やっぱり、時代をひっくり返すような“頑張り屋さん”がたくさん出てきてほしいね。人の意見を忖度するんじゃなくて、自分の意思で時代を切り開く人たちが増えたら、面白くなるよ。もう“平静”じゃいられないんだから。ガハハハッ」

 

後世を後押しするためにも、桂子師匠はいまでも毎月6回、舞台で“とびきりのネタ”を披露している。

【関連画像】

関連カテゴリー: