厚生労働省の18年9月の資料によると、日本の自殺死亡率はフランスやアメリカなどG7のなかでもトップだ。また各紙によると、今年8月の自殺者数は合計1,849人。昨年の同時期より、246人増加したと報じられた。

 

今年の自殺者が急増した背景には、新型コロナウィルスの影響も指摘されている。経済的困窮を抱える人や、精神的な不安定さから孤独感を感じる人が増えているという。

 

また経済的困窮は、自殺にも大きく影響しているという。実際に「平成の大不況」といわれた98年は、企業の倒産やリストラによって失業者が急増。厚生労働省の「自殺者の推移」によると、98年の自殺者は32,863人で前年より8,400人以上増加した。

 

加藤官房長官は「地域共生社会の実現」を挙げたが、菅義偉首相(71)は「自助・共助・公助」を政策理念に掲げている。

 

そのため《公助でなにかできる新しい策を考えないの?》や《具体的に策を立て行動して欲しい》など、“公助”の拡充を求める声が広がっている。

 

「政府は感染症対策として、営業や外出といった行動の自粛を国民に委ねました。救済策としては、布マスク配布や一律10万円の給付金、雇用調整助成金などの施策を打ち出しました。ですが国民からは、『実生活に見合っていない』『スムーズに手続きできない』など不満が噴出。福祉制度は生活課題を抱えた人が自ら見つけ、書類作成したうえで申請します。ですがNPO団体など支援者側から積極的に困窮者を見つけ、煩雑な手続きの手助けをするのは限界があります。また精神的に弱っている人ほど自ら情報を探し、誰かを頼ることはハードルが高くなるとも指摘されています。相談窓口の設置も大切ですが、さらに踏み込んだ施策が求められています」(全国紙記者)

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