「反響は凄いです。店の前で写真を撮られる方たちも多く来られて、今週はいつもの倍近くお客さんが増えましたよ」
そう興奮気味に話すのは、日本くじ史上最高額の1等12億円の当せんくじを販売した、『ヨコハマチケットサービス新宿南口店』の男性店長。
12月6日、スポーツくじ『MEGA BIG』で、初めて1等が出たことが大きな話題に。
『MEGA BIG』とは、Jリーグ戦など指定された12試合を対象に、各試合の両チームの合計得点を「1点以下」「2点」「3点」「4点以上」の4択から、コンピュータが無作為に予想するサッカーくじ。各試合の合計点がすべて一致したら1等7億2円。
ちなみに、1等が出る確率(理論値)は、1千677万7千216分の1(※今年の年末ジャンボ宝くじの1等の当選確率は2千万分の1)。1等が出なかった場合は、当せん金は次回に持ち越されるキャリーオーバー制で、その場合の1等当せん金は最高12億円となる。そして今回、2月の販売開始から36回目となる抽せんで、ようやくファン待望の1等が飛び出した。
ところが、このビッグニュースに水を差すように、ネット上では“不正疑惑”を指摘する声が相次いだ。『BIG系は買ってはいけません。不正やってます』、『BIGは(コンピュータによって)ランダムに数字が選ばれているのではなく、サッカー的に見てありえない結果が続くような数字が仕込まれている』――などなど。一体なぜ?
それは約4年前に起きた、信じがたいある現象が発端だった。
’17年2月、『BIG』を2日間に分けて5口と10口を買った男性のくじ券で、初日に買った5口と翌日に買った10口の前半5口が全く同じ出目だったことがツイートされ、大騒ぎになったのだ。当時、このような現象が起こる確率は、2.5穣分の1(『億』→『兆』→『京』→『垓』→『杼』の次の単位が『穣』で、0が28個並ぶ)という天文学的な数値が指摘されるなど、NHKをはじめとする複数のメディアが、この“疑惑”について取り上げた。
これに対し、『BIG』の運営サイドは「システムの不具合、不正操作はない」と公式に発表したのだが……。以来、コンピュータによるランダム方式のスポーツくじには、一部のくじファンから疑惑の目が向けられるようになったのだ。
実際、’17年から3年連続でスポーツくじの売り上げは減少。そして今年の2月、売り上げ回復の起爆剤として登場したのが『MEGA BIG』だった。しかし販売開始以降、なかなか1等が出ないことから、再びネット上では疑念の声が浮上していたのだ。
スポーツくじの運営、販売を所管する文部科学省の外局、スポーツ庁政策課の担当者に、噂される疑惑について尋ねたところ、
「システムの不具合、不正操作などは一切ありません」と完全否定。
いくら一部のくじファンから疑惑が指摘されようが、今回史上初の12億円が出たことで、購買意欲を掻き立てられた人も多くいるはず。まだ1等の繰越金は、約44億8千万円も残っている(12月11日現在)。当たった人がいる以上、2匹目の大きなドジョウを狙うかどうかはあなた次第だ。1口300円。