新型コロナの感染急拡大を受け緊急事態宣言の対象地域が沖縄、東京に加え、8月2日から埼玉、千葉、神奈川、大阪にも拡大された。そんななか、加藤勝信官房長官(65)の発言が波紋を呼んでいる。
同日の会見で「都道府県を越えた移動はできるだけ避けてほしい。どうしても必要な場合は検査を受け、小規模かつ分散で行ってほしい」と、国民に移動自粛を呼びかけた加藤官房長官。
各紙によると1日、全国知事会が夏休み期間中の都道府県をまたぐ旅行や帰省を「原則中止・延期」と国民に呼びかけるよう求めた提言を受けたかたちだ。
「すでに7月下旬から各学校では夏休みに入っており、あと1週間もすればお盆シーズンです。宣言が再延長・拡大してからのアナウンスでは、さすがに遅すぎるでしょう。予約済みの宿泊施設など、キャンセル料金が発生する可能性もあります。さらに首都圏では埼玉や千葉、神奈川からの通勤者も多く、『物理的に不可能』といった声も上がっています」(全国紙記者)
「移動するなら検査を受け小規模で」とも呼びかけた加藤官房長官。しかしその説明の曖昧さにも、批判が殺到している。
《でそのPCR検査は誰でもすぐに受けられるの? 費用は全額自己負担じゃないの?》
《8月に入ってからこんなこと言っても言うこと聞かないよ。判断遅すぎる。検査を受けろというなら公費でPCR検査を行うべきだ》
《「必要なら小規模で」こういう曖昧な発信が緩さを助長するの理解できないのか?》
また感染者が急増しても東京五輪は開催されている状況に、「国民だけ移動自粛は納得いかない」と感じる人も少なからずいるようだ。
「バッハ会長は広島や福島に、コーツ副会長も長崎を訪問するという特別待遇でした。東京五輪のために来日した海外の選手や関係者は、7月末でおよそ3万8,000人。組織委員会が7月1日に公表を始めてから、五輪関係の陽性者は累計294人と増加傾向にあります。バブル方式はすでに『機能していない』との指摘もされています。
いっぽうで菅義偉首相(72)は『五輪開催と感染拡大に因果関係はない』と否定し、小池百合子都知事(69)も五輪による人流の増加を否定しています」(スポーツ紙記者)
国民にさらなる自粛を押し付けながらも、五輪を優先する“矛盾だらけ”の政府に厳しい声が寄せられている。
《国境を越える移動が多発する東京五輪を開催して、国民に「県境またぐ移動は自粛しろ」は流石に理不尽なような……》
《「国民の生活よりオリンピックファースト」こんな状態では誰も言うことを聞かないよ》
《これまで一度も国民のお願いは聞かず、自分たちはお願いばっかり。もううんざりだよ》