■コネで中学へ。しかし、不登校に
家事やDVに苦しむいっぽうで、勉強にも精を出していた。実は名門中学校に入学するべく、小学校に入学した直後から塾通いを始めていたのだ。
「塾のクラスではたびたび1位を取っていました。当時は勉強ができたほうだと思います」というYさん。しかし、中学受験の直前に異変が起こった。
「あれほど勉強にうるさかった父が、急に『塾に通わなくていい』と言ったんです。それで、なぜか中高一貫の別の名門校に通うことになりました。しかも受験することなく、入学金も免除。『変だな』と思っていたら、父と職業上ゆかりのある人物とそこの学長が“親密な関係にある”と知って……」
Yさんは「コネだ」と勘づいた。
「父はもともと権力への憧れがあったんです。だから地位の高い人にいい顔をしたり、学長と深くつながったりしたかったんだと思います。でも入学したのは間違いでした。学校は都市部にあるいっぽう、私は東京の田舎出身。電車で片道1時間なので、通学がとにかくキツかった。それにクラスにはお金持ちの子ばかり。生活水準が違うので、話が合わなかったんです」
さらに中学校に入学してすぐに、頼りにしていた祖父が亡くなった。
「母も父も頼れないなか、唯一の心の拠り所でした。家が近かったので、夕食を作ってくれることもありました。実家で感じる不安も相談できましたし、今思えば、祖父が“ライフライン”だったんですよね。
でも、そんな祖父が亡くなったことで、学校生活も辛い。中学に入ってから、私の心はグチャグチャになっていきました」
そしてYさんは不登校となり、“引きこもり“となった。
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