安倍晋三元首相(享年67)を背後から銃撃し、殺害した山上徹也容疑者(41)。凶行に及んだ背景として連日取り沙汰されているのが、統一教会(現在は世界平和統一家庭連合)だ。
「山上容疑者は、取り調べの中で、統一教会に入信した母親が多額な献金を行い破産したことで家庭が崩壊したと主張。そして、安倍元首相が統一教会の関連団体に送ったビデオメッセージを見たことで、深い繋がりがあると思い恨みを抱き、犯行におよんだといいます。母親の教団への献金総額は1億円にのぼることを山上容疑者の伯父が明かしています」(全国紙政治部記者)
かねて霊感商法や高額な献金が問題視されてきた統一教会。今回の事件を機に、“統一教会と政治の繋がり”が注目を集めている。全国霊感商法対策弁護士連絡会は今月12日に会見を開き、統一教会と政治家との関わりについて「政治家として配慮いただきたい、ということを繰り返しお願いしてきた」とコメントしている。
しかし、26日に安倍元首相の実弟でもある岸信夫防衛大臣(63)は会見で、統一教会との会見について「お付き合いもありますし、選挙の際にお手伝いを頂いております」と認める発言を。二之湯智国家公安委員長(77)も統一教会の関連イベントに出席していたことも報じられている。
本誌も、自民党の稲田朋美議員(63)が統一教会の関連団体「世界平和女性連合」のイベントに参加していたことを取材に対し認めた上で、参加の経緯について「12年ほど前のことなので経緯は不明」と回答していたことを報じた。
そんななか、新たに統一教会との関係が指摘されている政治家が。自民党の平井卓也議員(64)だ。初代デジタル大臣を務めた平井議員だが、昨年には東京オリンピック・パラリンピック向けに国が開発したアプリの請負先企業との減額交渉のなかで“恫喝疑惑”が報じられていた。
「平井議員は、内閣官房IT総合戦略室の幹部に対し、アプリの請負先企業について『死んでも発注しない』『場合によっちゃ出入り禁止』と発言していたことを音声データ付きで『週刊文春』が報じました。さらに、請負先企業の会長の名前を挙げたうえで『脅しておいたほうがいいよ』とも発言していたといいます。その後、平井議員は会見で『国民の立場に立って強い覚悟で交渉するということで、強い口調で申し上げた。それがある意味で不適当だったということだと思う』と釈明しました」(前出・政治部記者)
そんな平井議員が参加していたイベントが、昨年7月から8月に地元でもある香川で開催されたイベント「ピースロード」。これは参加者が自転車に乗りリレー形式で日本を縦断するイベントなのだが、統一教会の関連団体が催しているものだ。
「ピースロード」のホームページを見ると、「世界平和を推進するUPF(編集部注:統一教会系のNGOである天宙平和連合のこと)の世界的な友好親善プロジェクト」と書かれている。また、「1981年、UPFの故文鮮明総裁が世界中のすべての人々を物理的に結ぶという国際平和高速道路を提案しました」と、統一教会の創立者である文鮮明氏の名前も。
平井議員が出席したのは、「ピースロード」の香川部門で昨年8月に行われたクロージングセレモニー。ネット上では、平井議員が実行委員長として主催者挨拶を行っていたことを指摘する投稿も。
そこで本誌は平井議員の事務所に、出席した経緯や統一教会の関連団体が行うイベントだという認識を持っていたかなどを問い合わせた。すると、以下の回答が。
「世界平和と日韓友好を目的とする自転車イベントだと認識しており、県や市町も後援しているので、地元の議員として名誉職的な意味合いで実行委員長を引き受けた」
「統一教会の関連団体であることを認識していたか?」という質問には回答がなかったため、上記回答後、改めて問い合わせをしたが、期日までに回答はなかった。
7月26日、報道によると自民党の茂木敏充幹事長(66)は記者会見で統一教会との関わりについて「自民党として、組織的な関係がないことはすでにしっかりと確認している。党としては一切関係ない」と断言したという。平井議員と統一教会の関係は“個人的”なものだったということか――。