「今さら日本に連れ戻せなくてその責任取って辞めます、名前は『女子党』にしますって、これもうただのジョークやん。コントでしょ、こんなもん。ただの」
3月10日、SNSの音声配信でこう憤ったのは国会を欠席し続けているガーシー参院議員(本名:東谷義和、51)。昨年7月に初当選して以後、ドバイに滞在したまま一度も登院しておらず批判が高まっていた。だが自由奔放な言動は、自らの立場を追い詰めてしまっているようだ。
ガーシー氏は登院しない懲罰として「議場での陳謝」を科されるも、8日の参院本会議をドタキャン。代わりに“陳謝動画”の提出を希望したが、参院議院運営委員会の与野党理事は拒否。懲罰委員会は14日に改めて処分審査を行うといい、15日の参院本会議で最も重い「除名処分」が可決される可能性が濃厚となっている。
国会議員としての地位が危ぶまれるなか、思わぬ余波が……。当時NHK党の党首だった立花孝志氏(55)は、ガーシー氏が帰国しなかった責任を取って党首辞任を表明。後任に元子役の大津綾香氏(30)が就任し、政党名を「政治家女子48党」に改めた。
するとガーシー氏は、冒頭のように立花氏に対する不満を爆発させたのだ。音声配信の中で、「俺を帰国させれんかったって、あんた『帰国せんでいい』って俺に言ったやんって話やから」などと憤り、“帰国しなかったのは立花氏の意向だった”と反発。ネット上では、“仲間割れ”として更なる波紋を呼ぶことに。
《もともと仲間ではなかったということだと思う》
《どちらの言い分が正しいかは別として……いずれ仲間割れするとは思ってました》
《立花さんは立花さんで十分アレだけど、でも「ガーシーを守ろう」とはしてた》
立花氏の辞任や政党名の変更を「ただのコント」と一蹴したガーシー氏だが、これまで帰国しない彼を守ってきたのは立花氏でもある。
「立花氏は、暴露系YouTuberから国会議員に転身したガーシー氏に対して、“政治家の不祥事を追求するような暴露がない”と苦言を呈したことも。ですが、基本的には“擁護”のスタンスを貫いてきました。例えば、ガーシー氏が昨年8月の臨時国会を欠席した際は、『ドバイにいたままの方が面白い』などと容認。また、ガーシー氏がYouTuberのキス動画を公開して炎上した時には、『責任の取りようがない』と不問に。立花氏は今回の辞任会見でも、『国会に出席しないことで迷惑をかけているとは一切思っていない』と自らの考えを示していました」(スポーツ紙記者)
新党首の大津氏はガーシー氏の処分について、「おじいさんたちが勝手に気に食わないからって、ガーシーを追い出してやろうみたいな前例を作っていいのかな」と疑問を呈していた。
今後、ガーシー氏が党内でどのような扱いを受けるかは定かではないが、除名処分が可決されれば国会議員の身分を失うことになる。
「ガーシー氏はInstagramにアップした陳謝動画では、『帰国する意志がないわけではない』などと釈明。一方で、日本テレビの取材には、『警察当局の任意の事情聴取が怖い』と帰国しない理由を語っていました。警視庁は現在、彼が動画やSNSで著名人たちを脅迫や名誉毀損などをした疑いで捜査を続けています。今年1月には、ガーシー氏の動画収益を管理する会社も家宅捜索されました。
国会議員には国会会期中の不逮捕特権が認められる場合もあります。しかし、一般人に戻ってしまえば、帰国したタイミングで即逮捕となる可能性も高まります。立花氏の後ろ盾だけでなく地位まで失いつつあり、もはや“詰み”の状態といえるでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
除名処分は出席議員の3分の2以上の賛成で可決される。カウントダウンが迫るガーシー氏の運命は果たしてーー。