今年2月上旬にSNSで拡散した、少年が卓上のガリを直接食べる行為を収めた回転寿司チェーン「はま寿司」での迷惑動画。被害に遭ったのは富山市内の店舗で、「はま寿司」は4月5日に富山県警富山中央署に被害届を提出し、受理されたばかり。
一方、動画内で“ガリ直食い”をした少年が富山県内にある高校のジャージを着用していたため、ネット上ではこの少年の身元を特定する動きが広がっていた。
騒動当時、実名が拡散した高校の副校長は、本誌の取材に「我々も本校の生徒かどうかまだ確認中です。(迷惑行為の)報道が出たものですから、全校生徒たちが怖がっていますので。動揺しておりますので……」と神妙な口調で語っていた。
そんななか、12日に「NEWSポストセブン」が報じた少年の叔父による“新証言”が物議を醸している。
記事では少年の叔父が、被害届が受理されたことについて「本人もしたことについてはとても反省しています」とコメント。一方で、利用客が醤油ボトルや湯呑を舐めまわす様子を収めた動画が拡散した「スシロー」とは「少し質が違う」と指摘。その上で、「店員さんが(男子高校生がガリを食べることを)確認していたと聞いているんです、(ガリを)完食して。『ありがとうございました』と(言われた)」などと明かしていた。
この話が本当かどうかは定かではないが、少年がガリの入った共用容器に直接箸を入れて食べていたことは事実。さらにその行為を収めた動画はSNSに投稿され、後に拡散し、顧客に不安を与えるだけでなく企業活動を脅かす行為として社会問題に発展した。
少年の叔父は記事内で「(少年に)正当性はない」と断言している。しかし、店員から感謝されたという庇うような“新証言”をしたことで、「ガリ直食い」事件が再燃し、今回の証言にも「違和感を覚える」との声が相次いでいる。
《食器ではなく大勢の人間が使う前提の容器から直接口に運んでいた事実が消えるわけでもない》
《他の迷惑動画と少し質が違うと言ってますが、ガリの容器に直接お箸を入れて食べてる動画が他の迷惑動画と何が違うのか》
《お礼を言った店員がいるなら、それも問題だけれども、直接食べるのはダメだしそれを動画にとってアップするのもダメでしょ》
《その「ありがとうございました」はあくまで男子高校生の主観であって、ガリを食べたことに対してなのか、来店したことに対してなのかわからないですよね》
2023年に入ってからSNSでの拡散が相次ぐ迷惑動画。被害に遭った回転寿司チェーンは加害者に毅然な対応を示すと同時に、対策強化も余儀なくされている。
「『はま寿司』では“ガリ直食い”の迷惑動画を機に、全店舗で袋入りのガリを用意しています。『くら寿司』でも悪質ないたずら対策として、AIカメラシステムを導入。『スシロー』ではタッチパネルで注文された商品のみをレーンに流し、テーブル席とレーンの間にアクリル板を設置するなど対策を講じています。こうした動きは他の飲食チェーンでも広がっていますが、それぞれに莫大な費用もかかっているのです。加害者側にどんな言い分があったとしても、大きな損害を与えたことには変わりません」(社会部記者)