■「届くのは吉本興業のPRだけ」のコンテンツ配信事業も
さらに蓮舫議員は、同機構の教育コンテンツの配信事業「ラブ&ピース マザー」についても問題があると指摘。
西村大臣は同事業を「日本発で子供向けの教育コンテンツを制作配信する事業」で、海外需要獲得を目指し、配信先はアジアを中心に展開を予定していたものの、有料会員数の低迷によるサービス撤退、沖縄での常設設備計画の中止などを理由に海外展開の計画が頓挫したと説明。
蓮舫議員は「アジアに1回も配信してないで終わっちゃったんでしょ? ここに最大100億の支援、実際に31億円支援してるんですよ。じゃあ収益性は出たんですか? 儲かったんですか?」と追求すると、西村大臣は「トータルで言うとマイナス」と発言した。
さらに、蓮舫議員は同事業と吉本興業との関係性にも問題があると指摘。クールジャパン機構で「アジアに教育コンテンツを流す」ということで視聴案内のメルマガに登録してみたが、届くのは吉本興業のPRだけだったという。
「『よしもとアカデミー 放課後クラブ』の案内、『芸人とネタ作成チャレンジ』、『芸人とユーチューブ動画作成』、『M-1グランプリ予選突破目指した漫才レク』、『“吉本興業の芸人が行うワークショップ”への小中高校生に“有料”で参加をしてください』という案内なんですよ。国が31億円出資して作った会社が、そこで“教育コンテンツを見たい”と契約した人のメルマガに、一企業の広報・広告・案内、届けたの適切ですか?」と、国費を投じた事業が一私企業のPRに使われる事の問題を提起した。
確かに「ラフ&ピース マザー」のYouTubeチャンネルを見ると、会員数は4179人(10月31日時点)で、「未就学児向けコンテンツ」「小学校高学年向けコンテンツ」など項目には吉本芸人の動画がズラリと並ぶ。
蓮舫議員は、昨年末の財政投融資分科会でも委員から「産業投資という名を借りて、事実上の事後的な補助金を当該出資先にくれてやるほど、我が国の財政は楽観できない状況」と厳しく指摘されていることをあげ、「政権に近いと言われている企業への補助金になってませんか?」と問題点を明らかにした。