岸田首相は6月17日、経団連が提言した選択的夫婦別姓の早期導入について、「家族の一体感や子どもの利益にも関わる問題であり、国民の理解が重要だ」と衆院決算行政監視委員会で述べ、引き続き議論が必要だとして導入に慎重な姿勢を示した。
経団連は6月10日、選択的夫婦別姓制度の早期導入を政府に求める提言を公表。旧姓の通称使用の場合、契約や海外渡航でトラブルが発生して「ビジネス上のリスクになる」としている。具体的な事例として、海外出張の際、パスポートの姓名とビジネスネームが異なりトラブルになる、研究者の論文には戸籍上の名前が必須のため、キャリアの分断や不利益が生じるなどを挙げている。
「同制度は1996年に導入が提言されたものの『家族の絆が壊れる』という自民党保守派の反対で、30年近く放置されてきました。日本は世界で唯一、夫婦で別姓を選べない国であり、国連女性差別撤廃委員会から何度勧告を受けても無視し続けています。
保守的な政治団体の支援を受けている自民党議員は多いため、岸田首相の発言は党内の慎重派を意識したものだと思われますが、5月に発表されたNHKの最新の世論調査でも“賛成”が62%、“反対”が27%です。いつまで慎重に議論するつもりなのか、首相の姿勢が問われるのではないでしょうか」(全国紙政治部記者)
Xでは「家族の一体感」が一時、政治のトレンドに浮上。岸田首相の見解に対する、呆れ声で溢れかえっていた。
《普通に夫婦別姓の国に鬼失礼で草。中国の夫婦みんな一体感ないんかい。アホすぎる》
《親が国際結婚で別姓だったけど家族の一体感あるし普通に仲良しだよ》
《女性の犠牲の上での家族の一体感なんて幻だろ》
《今の少子化は、これまでの家族感の限界の表層でもあろうに、相変わらずそんなこと言って選択の自由を与えず一体感を押し付けてくるんじゃ、そりゃ少子化も止まらないよな》