7月7日投開票の東京都知事選で大躍進を遂げた広島県・安芸高田前市長の石丸伸二氏(41)。一夜にして主役に踊り出たが、メディア出演時の態度が連日物議を醸している。
元市長という同じ立場の、兵庫県・元明石市長で弁護士の泉房穂氏(60)は7月9日、Xを更新し、こう綴った。
《山﨑怜奈さんに対する対応と、橋下徹氏に対する対応とが、大きく違っていることにも驚いた。自分を評価してくれる人と、素朴に質問をしてくる人とで対応を変えるというのはどうなんだろう。私への対応は予想外にフレンドリーだったが、ホンネはどうなんだろう…》
泉氏が指摘したのは、石丸氏が中継で出演した7月7日放送の『Mr.サンデー“七夕決戦”都知事選SP』(フジテレビ系)のこと。
司会の宮根誠司(61)に選挙後の心境を問われた石丸氏は「これまで山ほどおんなじ質問に答えてきたんですが、都民の相違が可視化されたというだけの現象ですね。メディアがよく注目してるのは候補個人がああだこうだという話でしかないので、実に瑣末な視点だなという風に一蹴してます」と半笑いで回答。
その流れで宮根から話を振られた、石丸氏と共演経験もあるという元大阪市長の橋下徹氏(55)は、「本当にお疲れ様。本当に僕は今のその状況だから、なかなか素直になれないのはその通りだと思うけど、僕は本当によくやったと思う」と石丸氏の態度をフォローした。
続けて「都知事選の結果だけじゃなくて、僕は野党がこれからどういうスタイルの政治をやらなければいけないのかってことを強烈に示してくれたと思います。今の維新にも全くない、石丸さんのこのスタイルは。立憲にもない。もちろん自民党にもない」と石丸氏の政治スタイルを絶賛し、同氏もニコニコと頷きながら耳を傾けていた。
さらに「あの、このメディアの受け答えね、こうひねくれた答え方するのも俺とそっくり! もう本当に同じ」と言うと、のけぞって大口を開けて笑いながら「そんな褒め方されると照れますね」と、石丸氏は終始ご機嫌な様子。
橋下氏は最後に「同じ質問ばっかりされると腹立つのわかるけど、でも、石丸さん、次に向けてね、こういうスタイルがやっぱり今の日本に必要なんだってことは、ここで終わりにせず続けてもらいたいと思いますね。本当にお疲れ様」と激励した。
宮根が話題を引き取り「橋下さんのこのご意見はどうですか? マスコミ同じことばっかり聞いてうんざりされてるとは思いますけど」と尋ねられた石丸氏は、笑顔で「同じことは局が違うので問題ないんですけど、その視点がいかにもステレオタイプだなというところに、少し、かなり辟易しています」と厳しい口調に戻り、橋下氏とともに笑みを浮かべた。
続いて宮根が「あの石丸さん、ステレオタイプっていうか、橋下さんも現役の時そうだったんですけど、石丸さんは次につながる負け方をしたってみんな評価してるわけ」と石丸氏を評価したが、石丸氏はまた笑みを浮かべながら「はい(笑)、そうなんですか?(笑)」と逆質問。
宮根も少しムッとした様子を見せるが、すかさず橋下が「宮根さん、宮根さん、全然僕より素直ですよ、やっぱり。僕もっと酷かったもん(笑)」とすかさずフォローするなど、石丸氏と橋下氏は終始仲睦まじげな様子だった。
いっぽう、対照的な対応を取られたのが元乃木坂46・山崎怜奈(27)だ。山崎は「真摯に受け答えようとしている姿勢がすごく素晴らしいなと思いました」と称賛しつつ、石丸氏の公約について、小池氏を引き合いに出した上で国政と都政どちらに比重をおいているのかを質問した。
すると、石丸氏は苦笑しながら「大変申し訳ないですが、前提のくだりがまったく正しくないなというふうに感じましたよ。ゼロ公約と私が今回掲げた政策、どこに共通点があるというふうに。全然次元が違うと思うんですけども」と冷たくバッサリ。
山崎は自らの発言を補足しようとしていたが、石丸氏は遮るように「解決ができない問題を作ってしまってたのが、あの7つの公約の実態です」とコメント。
すると山崎は「小池さんとは分けさせてください。すみません、不勉強で」と詫び、改めて「国政の規模でしかできないことが、都政で実現したいって打ち出してる公約の中にもあったのかなっていう声も、私は受けたんですけど。そこの声に対しては、どうお考えですか?」と尋ねた。
しかし石丸氏は、「それ見方が違うんじゃないでしょうか。国政のレベルでやる、例えば国防とか外交はもちろん、都の範疇に入りません。ただ私があの中でうたったものは全て東京都として関与できる、裁量がある、その範囲に限定しています。当たり前の話ですけど」と一貫して厳しいコメントを返し続けた。
しかし、橋下氏が自身が進めていた大阪都構想と東京一極集中の是正策を掲げた石丸氏を重ねて、「血みどろの戦いになるくらい、俺と同じことやるのかなと思ったんだけど」などと投げかけると、石丸氏は「橋下さんのおっしゃるっとおり、まさに大阪都構想と共通するテーマだったと捉えています」などと同調し、穏やかに自身の考えを述べた。
中継が終わると、橋下氏は石丸氏が出馬するときに電話で報告を受けたことや、維新を結党した際、自分が目指した政治スタイルを体現しているのがまさに石丸氏だとひたすら絶賛。2人の関係の良さが浮き彫りとなったが、橋下氏以外には、冷たい対応が目立った形となった。