「いわば原発推進税」経産省が目論む“原発新制度原発新制度”導入で電気代年3500円値上げ!
画像を見る 【写真あり】総裁選を断念した岸田首相は原発再稼働を「大きな成果」と(写真:時事通信)

 

■明細書に記されないので値上げに気がつかない!

 

しかし、このような値上げは、「国民に気づかれないよう“託送料金”に組み込まれることになるのでは」と、大島さん。

 

託送料金とは、小売電気事業者が、発電所から各家庭に電気を送るときに利用する送電線利用料金のこと。送電線を所有する大手電力会社に支払われ、電気料金の30~40%を占める。

 

「託送料金には、すでに福島第一原発事故の“賠償負担金”や、廃炉を進めるための“廃炉円滑化負担金”などが上乗せされています。しかし、電気料金の明細書には記されておらず、いわば“ステルス値上げ”なので、気づいていない人も多いのです」

 

今後、託送料金への上乗せ額は、青天井になる可能性が大きい。それでも、近い将来“脱炭素化”が実現するならよいが……。

 

「残念ながら役立ちません。政府は、2030年までに温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すと表明していますが、原発は完成するまでに20年近くかかるので間に合いません。しかも、クリーンエネルギーとは名ばかりで、原発事故を起こせば、広範囲に放射能汚染が広がってしまいます」

 

一方、発電コストはどうか。

 

「経済産業省は、原発の事故処理費用や、建設費用などを過小評価、『原発の発電コストは安い』とアピールしてきました。

 

しかし実際は、前出したように原発の建設コストは高騰。事故処理費用も、2015年の試算では9.1兆円でしたが、2023年末には23兆4千億円にまで膨らんでいます。

 

これらを勘案すると、控えめに試算しても政府試算の原発の発電コスト(11.5円)より3円は高い。ドイツでは、すでに太陽光の発電コストが7円/1kWh程度に下がっています」

 

さらにドイツでは、蓄電池の技術も進歩し、再エネは主力電源として機能するという。

 

“オワコン”の原発に、これ以上血税を注ぎ込んではならない。

 

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