東日本大震災の発生からまもなく15年。’26年から「第3期復興・創生期間」として5年間の復興事業が新たに始まるが、現在、被災地を舞台にした“あるフィクション”がSNSで大きな波紋を広げている。
それは、アダルトメーカー大手「ソフト・オン・デマンド(SOD)」が昨年に配信を開始した作品。ある被災地に派遣された女性救護隊員が、避難所で生活を送る中、強引に迫ってきた男性らに《救助》として性的行為を行うという内容だ。パッケージには、災害時の避難所としてしばしば使用される学校の体育館のような場所で、段ボールで作った仮囲いの中で行為に及ぶ様子が使用されている。
この作品が販売されている大手アダルトサイトのレビュー欄には、《最高です》《「避難所の性」に着目した点がgood》《脚本が悪いから低評価》など様々な評価が並んでいるほか、中には《避難生活とAVは混ぜたらアカン》と企画そのものを否定するユーザーの意見も見られた。
そして、東日本大震災発生日が近づいた3月上旬頃から作品の存在がXで拡散。被災地では、被災者やボランティアスタッフが性被害を受けたり、性的行為を強要されたりする事例も存在しており、そうした行為を助長するのではないかという懸念や、被災地や避難所を性的に消費することに嫌悪感を示す声が上がった。
《こういう「実際にやってみたい!やれるかも知れない!」って夢を見せるような害悪なテーマはやめろ》
《AV業界にはモラルがないの?しかも避難所での性被害って深刻な社会問題なのにそれをコンテンツ化するなんて……》
《きっっっっしょ こういうAVが作られるのも需要があるっていうのも全てがきしょい》
《やって良いことと、そうでないことの区別が付かないのかなぁ》
被災地における性加害問題をめぐっては、能登半島地震の災害ボランティアの仲間の女性に対し、性的暴行を加えたとして起訴された男性が、昨年7月に懲役5年の実刑判決を受けた。そのほか、先述の通り、災害時の混乱に乗じた性加害問題はこれまで多数報告されてきた。
「東日本大震災女性支援ネットワークが’13年に公表した報告書によると、’11年10月から調査票900票を配布したところ、女性や子供に対する暴力事案が82件報告されたといいます。そのうち、強姦・強姦未遂など同意のない性交の強要が10件、その他のわいせつ行為、性的いやがらせが19件。これらの行為を含む『DV以外の暴力』(合計37件)で、被害者が被害を受けた場所は避難所が19件、仮設所が5件でした。具体的な事例として、《避難所で、夜になると男の人が毛布の中に入ってくる。仮設住宅にいる男の人もだんだんおかしくなって、女の人をつかまえて暗い所に連れて行って裸にする》(20代女性)との報告があったようです」(全国紙社会部記者)
なお、問題視されている作品は特定の災害を明示しているわけではないが、SODは実在する不同意わいせつ事件の“パロディ疑惑”で物議を醸したことがある。
’23年8月、韓国の人気女性DJ「DJ SODA」が大阪で開催された音楽フェス「MUSIC CIRCUS’23」で性被害に遭ったことを告発。フェスのステージから客席に近づいた際、複数の観客から体を触られたと訴えたのだが、’24年3月、SODが発売した作品には、“2023年夏に話題になった金髪DJ”が、ライブ会場のような場所で胸を触られる場面が登場。これがDJ SODAの告発内容を想起させ、二次被害を招きかねないとしてSNSで批判が続出し、SODは後に“諸般の事情”で発売を中止した。
当時と同じく、今回の騒動でも批判が止まないが、SODはどのように受け止めているのだろうか。本誌は3月6日、同社に対して取材を申し込んでおり、回答があり次第追記する。
画像ページ >【写真あり】被災地の避難所を舞台にしたアダルト作品(他1枚)
