■約350億円の大屋根リング、保存にも約55億円
一方、「万博のレガシーとして残してほしい」との声を受け、北東部の約200メートルについては保存し、大阪市が周辺を公園緑地として整備する計画が進められている。しかし、残されたリングを間近に見ると、万博開催時の輝きは薄れ、木材の一部が黒ずんで見える。
「黒く見えるのはカビですね。リングは、丸太ではなく、複数の木材を接着して一つにした“集成材”が使われています。接着剤で貼り合わせた部分などに湿気がたまり、カビが発生しているんです。
大屋根リングの建設には約350億円もかかっています。リングを含む会場建設費は、国、大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担していますから、当然、市民や国民の税金も入っています」
問題は、かかる費用は建設時だけでは終わらないことだ。
報道によれば、約200メートルを保存するための改修費と今後10年間の維持管理費には、計約55億円が必要になると試算されている。大阪市は、改修費にはチケットやグッズ販売などの収入から運営にかかった費用を差し引いて残った“運営費剰余金”を活用し、維持管理費にも剰余金や民間資金を充てる方針だ。一方、周辺の記念公園などの整備には大阪府・市が原則折半で負担し、国の交付金・補助金なども活用する方向だと報じられている。
「万博が終わった後も、リングを残すために改修費や維持管理費がかかり、さらに周辺整備には府、市や国の公費も使われることになります。そこまでして、何十億円もの費用をかけて一部を残す必要が本当にあったんでしょうか」
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