東京都葛飾区柴又で民家が全焼し、上智大学4年生の女子学生・小林順子さん(当時21歳)が殺害された放火殺人事件が発生してから、9月9日で30年を迎えた。遺体には刃物による複数の刺し傷があり、何者かが殺害後に証拠隠滅のために放火したとみられている。
これまでの捜査で、現場で見つかったマッチ箱に付着した血液と遺体にかけられていた布団の血痕から同一の男性のものとみられるA型のDNA型が検出されており、捜査本部は、女子大学生を刃物で刺殺した際に、怪我をした犯人のものと断定。
これまでのべ12万2520人の捜査員を投入して犯人を追ってきたが、未だに逮捕には至っていない。
9月3日には警視庁が、現場付近で目撃された不自然に大きな黄土色のレインコートを着た不審な人物の3D画像を初公開し、改めて情報提供を呼びかけている。
事件発生から30年を前に本誌が事件現場を訪れると、現場近くに店を構える雑貨店の店主が、当時の様子を話してくれた。
「あのときからずっとここで同じ商売をやってます。(事件が発生したのは)夕方だったからね。火事が起きたと地元は慌てましたよ。それが翌日になると、女性の方が焼死したようだ、さらに翌日になると、どうやら放火だったらしい、。さらに女性は殺害されたようだ、となりました。
マスコミが大勢来たし、警察官も捜査のために何度もきましたよ。すぐに犯人が捕まるはずだよと思いながら、30年だからね。地元の人間としては、長い時間が経過したという思いですよ」
犯人を逮捕するために、これまで大規模な捜査が展開されてきた。
「犯人がいまだ捕まっていないということが、釈然としないですね。血液型A型の男性が犯人とされていますから、この辺りに住むA型の男性の多くがDNA検査を受けています。実は私もそうなんですが、『DNA検査のために髪の毛を提供してください』と言われ、任意捜査ですけど応じました。
うちの店のあるお客さんが『任意なら応じなくてもいいんですよね』と捜査官に応答したそうで、すると『ええ、いいですよ。でも重要参考人としてマークしますから』と言われたそうです。徹底した捜査が行われてきました。
発生当時は20代だった警視庁一課の若手捜査員も、もう定年直前です。これまで何十回も来ているのに、今でもふらっと店先にきて『ちょっと聞きたいことが……』と、以前も尋ねられたようなことを聞きにきます。地元の亀有警察署にしても同じことです」(前出・雑貨店の店主)
事件現場には小林さんの冥福を祈る“順子地蔵”が祀られており、手向けられて間もない花が供えられていたーー。警視庁はなお、懸命な捜査を続けている。
画像ページ >【写真あり】手向けられて間もない花が供えられていた順子地蔵(他1枚)
